1.8.1. サーバーインスタンスへリストア編(SDPF内のWindows)


本書では、Arcserveで取得したSmart Data Platform(以下SDPF)環境のオフィシャルテンプレートから作成したWindows Server 2016サーバーインスタンスのバックアップを、Arcserveの復旧メディア(ブートキット)を使用し、SDPFのサーバーインスタンスへ復旧(リストア)する方法を記載します。

注釈

Oracle、SQL Serverなど一部のオフィシャルテンプレートで作成したサーバーインスタンスを本手順でリストアする場合、[リストア先ボリュームの初期化]の3、[リストア用の一時インスタンスの作成]の4、[インスタンスの作成]の7のアタッチに応じて月額固定料金が発生します。


SDPF以外の別環境からSDPFへマイグレーションしたい場合は、[Arcserveを用いて別環境からSDPF環境へサーバー移行(マイグレーション)する]を参照ください。

1.8.1.1. リストア先ボリュームの作成


1.はじめに、Smart Data Platformポータル(以下SDPFポータル)で、リストア先となるWindows Server 2016イメージを適用したボリュームを作成します。
「サーバーインスタンス」―「ボリューム」―[ボリュームの作成]をクリックします。

2.ボリュームを作成します。

3.以下を入力しボリュームの作成をクリックします。
  • ボリューム名:任意で入力
  • 説明:任意で入力
  • イメージをソースとして使用する:リストア元サーバーのOS種別と同等のオフィシャルテンプレート
  • サイズ(GB):バックアップ元と同等または大きいサイズを選択
  • ゾーン/グループ:作成予定のインスタンスに合わせて選択

警告

リストアするOSと同じバージョンにリストアしてください。別のバージョンにリストアすると規約違反となります。


4.SDPFポータルにて、「サーバーインスタンス」配下の「ボリューム」に上記で作成したボリューム名のボリュームが作成されたことを確認します。

5.次に、このボリュームを起動不可の状態とします。
作成したボリュームの[ボリュームの編集]をクリックします。

6.[起動可能]のチェックを外し、ボリュームの編集をクリックします。

1.8.1.2. リストア先ボリュームの初期化


1.上記で作成したボリュームを初期化します。
初期化作業のため、CentOSインスタンスを作成します。(このCentOSインスタンスは上記で作成したボリュームの初期化のみに使用するので、本作業後は削除して構いません。)
「サーバーインスタンス」―「インスタンス」―[インスタンスの作成]をクリックします。

2.インスタンスの作成画面が表示されるので、各タブにて設定項目を記入します。
[詳細]タブにて設定します。
  • ゾーン/グループ:作成したボリュームに合わせて選択
  • インスタンス名:任意で入力
  • フレーバー: 任意で入力(フォーマットに用いるだけのインスタンスなので最小構成で構いません)
  • インスタンスのブートソース:イメージから起動を選択
  • イメージ名:CentOSサーバーのオフィシャルイメージを選択
※CentOSのバージョンについては、提供されているどのオフィシャルテンプレートを利用しても構いません。
画像は一例として、[CentOS 7.1]を使用しています。

3.[データボリューム]タブにて設定します。
先に作成したボリュームを選択します。

4.[ネットワーク]タブにて設定します。

5.利用可能なロジカルネットワークからこのインスタンスに設定するIPアドレスを選択し、選択済みロジカルネットワークにIPアドレスを設定します。
上記を設定後、[インスタンスの作成]をクリックします。

6.SDPFポータルの「サーバーインスタンス」―「インスタンス」画面にて、作成したインスタンスが作成されていることを確認します。
確認できればインスタンスを起動し、インスタンス名の項目をクリックして「インスタンス」画面を表示します。

7.インスタンスの詳細画面にてインスタンスのコンソールを開きます。

8.コンソール画面で、「fdisk -l」を実行し、接続されているボリュームの確認を行います。
$ fdisk -l

9.「/dev/vdb」に、ボリュームが接続されていることが確認できます。

10.ext3形式で初期化します。「/sbin/mkfs.ext3 /dev/vdb」を実行します。
$ /sbin/mkfs.ext3 /dev/vdb

11.初期化が終了したら、本インスタンスはシャットダウンしてください。
「サーバーインスタンス」―「インスタンス」にてこのCentOSインスタンスがシャットダウン済みになっていることを確認してください。

12.初期化の終了後、このインスタンスは不要なので削除します。
「サーバーインスタンス」―「インスタンス」から、初期化に使用したCentOSサーバーの[インスタンスの削除]をクリックします。

13.確認画面で[インスタンスの削除]をクリックします。

※ここでインスタンスを削除しない場合は、[ボリュームメニュー]からボリュームを切断してください。
上記で作成したボリュームの管理画面の右端[▼]をクリックして、[接続の管理]を選択します。
「ボリュームの接続」画面が開きますので、アクションの[ボリュームの切断]をクリックしてボリュームを切断してください。
*インスタンスの停止しないとボリュームの切断はできません。

14.これでリストア先となるボリュームが作成されました。

1.8.1.3. 復旧メディアのイメージ作成


1.Arcserveのブートキット(復旧メディア)(別途Arcserveの機能で作成したもの)を、SDPF上でのイメージとして作成します。
SDPFポータルの「サーバーインスタンス」―「イメージ管理」の「プライベートテンプレート/ISO」画面にて[イメージの作成]をクリックします。

2.「イメージの作成」画面で設定します。

3.以下を入力しイメージの作成をクリックします。
  • 名前:任意で入力
  • イメージファイル:Arcserveの復旧メディア(別途Arcserveの機能で作成したもの)を選択
  • 形式:[ISO-光学ディスクイメージ]を選択

1.8.1.4. リストア用の一時インスタンスの作成


1.リストア用のインスタンスを作成します。(これはリストア先となるインスタンスとは異なります。これはリストアのためにArcserveで作成した復旧用イメージを展開するために一時的に使用するインスタンスです。リストア後は不要です。)

注釈

Windows2019の場合、リストア用の一時インスタンスの作成の前に下記リンク先(よくある質問)にあるAPIを実行してください。 「よくある質問:Windows2019をArcserveでリストアしたところ、ブルースクリーンが出て起動できなくなった。 」


2.「サーバーインスタンス」―「インスタンス」―[インスタンスの作成]をクリックします。

3.「インスタンスの作成」画面が表示されるので、各タブにて設定項目を入力します。
[詳細]タブにて設定します。
  • ゾーン/グループ:作成したボリュームに合わせて選択
  • インスタンス名:任意で入力
  • フレーバー:任意で入力(復旧に用いるためだけのインスタンスなので最少構成でも可能な場合もございますが、リソース不足でリストア失敗するケースの報告もございますため、ある程度のリソースの適用を推奨いたします。)
  • インスタンスのブートソース:イメージから起動を選択
  • イメージ名:先に作成したArcserveの復旧メディアのイメージを選択

4.[データボリューム]タブにて設定します。
先に作成したボリューム(リストア先となるボリューム)を選択します。

5.[ネットワーク]タブにて設定します。
利用可能なロジカルネットワークからこのインスタンスに設定するIPアドレスを選択し、選択済みロジカルネットワークにIPアドレスを設定します。

6.設定後、[インスタンスの作成]をクリックします。
SDPFポータルの「サーバーインスタンス」―「インスタンス」画面にて、インスタンスが作成されていることを確認します。

1.8.1.5. リストア


1.作成したリストア用の一時インスタンスを起動し、インスタンス名の項目をクリックして「インスタンス」画面を表示します。

2.インスタンスの詳細画面にてインスタンスのコンソールを開きます。

3.インスタンスのコンソールを表示すると、Arcserveの「BARE METAL RECOVERY」画面が表示されます。
※ここからArcserveの機能でバックアップファイルから空ボリュームにデータをリストアします。

[キーボード レイアウト]を選択します。ここでは[日本語]を選択しています。[Next]をクリックします。

4.「リストアソースの種類を選択する」画面で[Arcserve Unified Data Protection のバックアップからリストアする]が選択されていることを確認し、[次へ]をクリックします。

5.次の画面にて、ネットワークを設定します。画面左下の[ユーティリティ]を選択し、[ネットワークの設定]をクリックします。

6.リストア用に作成したインスタンスのIPアドレスを入力します。入力後[OK]をクリックします。

7.リストアするバックアップデータの参照先を選択します。

注釈

  • [CIFS共有先]にバックアップを保存した場合、手順7.~11.を実施後、手順16.以降を実施してください。
  • [復旧ポイントサーバー]にバックアップを保存した場合、手順12.以降を実施してください。
下記画面の[参照]ボタンから[ネットワーク/ローカルパスから参照]をクリックします。

8.リストアファイル(バックアップされたファイル)を保存しているパス先を「¥¥」(半角)で始まるUNCパスで[探す場所]に直接入力し[→]をクリックします。

9.[ユーザ名]、[パスワード]を入力し、[OK]をクリックします。

10.バックアップ先フォルダー内の復旧するサーバー名のフォルダーを選択し、[OK]をクリックします。

11.下記のような画面でバックアップファイル情報が表示されます。[次へ]をクリックします。

12.[復旧ポイントサーバー]にバックアップを保存した場合、[参照]ボタンから[復旧ポイントサーバーから参照]をクリックします。

13.復旧ポイントサーバーの[ホスト名]、[ユーザ名]、[パスワード]を入力し、[プロトコル]をHTTPSに変更し、[接続]をクリックします。

14.[データストア]を選択し、表示されたノードからリストアする[ノード]を選択し、[OK]をクリックします。

15.下記の画面でバックアップファイル情報が表示されます。[次へ]をクリックします。

16.下記画面に戻り[拡張モード]を選択し、[次へ]をクリックします。

17.BMRのポップアップ画面が表示されたら[はい]をクリックします。

18.上段がリストア先のディスク/ボリュームレイアウト、下段がバックアップデータのディスク/ボリュームレイアウトです。
正しく設定されていることを確認して、[次へ]をクリックします。

複数ボリュームをリストアする場合

19.複数ボリュームをリストアする場合、上段のリストア先ディスク/ボリュームにバックアップデータが未設定の状態になる場合があります。

20.その場合は、上段のリストア先ディスク/ボリュームで設定するボリュームを選択した後、[操作]から[プライマリパーティションの作成]を選択して、バックアップデータをすべて設定してください。

※すでに設定されており、変更したい場合は、[操作]の[ボリュームの削除]で設定を解除してから再度[プライマリパーティションの作成]を行います。

21.ボリュームの作成ウィザードで、設定するバックアップディスク/ボリュームを選択し、[完了]をクリックします。

22.設定されたことを確認します。同じ手順で、バックアップディスク/ボリュームをすべて設定し、[次へ]をクリックします。

23.「ディスク変更のサブミット」画面で、[サブミット]をクリックします。

24.[OK]をクリックします。

25.「リストア設定のサマリ」画面で[OK]をクリックします。

26.リストアが開始されます。
[復旧後、システムを自動的に再起動する]のチェックを外しておきます。(このリストア用のインスタンスでは再起動しません。ここでSDPF上で作成したボリュームを別に作成するインスタンスで起動するため、ここではチェックを外します。)

27.リストアが完了すると[次へ]のボタンがアクティブになるので、クリックします。

28.この画面が表示されたら、SDPFポータルのコンソールを閉じます。

注釈

注意:[再起動]は押下しません。


29.上記手順で作成した空ボリュームにバックアップしたファイルがリストアされました。

1.8.1.6. インスタンスの作成


1.一時インスタンスを用いてリストアを行ったボリュームを使って、新規にインスタンス(リストアサーバー)を作成します。
SDPFポータルの「サーバーインスタンス」―「インスタンス」にて、「インスタンスの詳細」画面の[インスタンスの起動]欄の横の[▼]ボタンをクリックします。

2.インスタンスの停止を選択します。

リストアのために一時的に作成したインスタンスはこれ以降不要のため、任意に削除してください。

3.作成したボリューム(上記のArcserveでリストアしたボリューム)の管理画面の右端[▼]をクリックして、[接続の管理]を選択します。
「ボリュームの接続」画面で、アクションの[ボリュームの切断]をクリックしてボリュームを切断してください。
*インスタンスの停止していないとボリュームの切断はできません。

4.作成したボリューム(上記のArcserveでリストアしたボリューム)の編集を行います。[ボリュームの編集]をクリックします。

5.ボリュームの編集で[起動可能]にチェックを入れ、[ボリュームの編集]をクリックします。

6.次に新規にインスタンス(リストアサーバー)を作成します。[インスタンスの作成]をクリックします。

7.「インスタンスの作成」画面の各タブにて設定項目を記入します。

8.[詳細]タブで以下を入力/選択します。
  • ゾーン/グループ:作成したボリュームに合わせて選択
  • インスタンス名:任意で入力
  • フレーバー:任意で入力(復旧したいリソースサイズ)
  • インスタンスのブートソース:ボリュームから起動を選択
  • イメージ名:上記でリストアしたボリュームを選択

9.[ネットワーク]タブにて設定します。
利用可能なロジカルネットワークからこのインスタンスに設定するIPアドレスを選択し、選択済みロジカルネットワークにIPアドレスを設定します。
設定後、[インスタンスの作成]をクリックします。

10.SDPFポータルの「サーバーインスタンス」―「インスタンス」画面にて、インスタンスが作成されていることを確認します。

11.インスタンスの詳細画面にてインスタンスのコンソールを開きます。

12.OSが正常に起動していることを確認します。
その後、必要な設定をします。
以上でサーバーインスタンスへのリストアは完了です。