Veeam Backup & Replicationのレプリケーション機能を用いたDR/マイグレーションシステム構築ガイド(2020/4/30 サービス終了)

重要

  • 本サービスは、2020年4月30日にサービス終了となっております。
  • バックアップ・レプリケーションのサービスをご利用の場合は、Arcserve をご検討ください。

本文書の目的・位置づけ


Veeam Backup & Replicationのレプリケーションする機能を用いて、お客様オンプレミス環境などのvSphere上のVMから、Smart Data Platformで提供するハイパーバイザー(vSphere)上のVMへ、DRやマイグレーションするシステムを構築するための参考情報を紹介します。

本文書のご利用にあたって


本書を参照いただくにあたって、以下の点にご留意ください。
・本書では、本書にて紹介する構成を、実際に当社にて構築した際の手順を一例として紹介します。実際の手順や設定内容は、お客様環境によって異なる点についてご了承ください。
・本書では、本書で扱う構成を構築する場合に固有の操作を中心に紹介します。Smart Data Platformの一般的な機能の操作方法については、Smart Data Platform チュートリアル を併せて参照ください。
・本書の記載は、予告なく変更となる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

注釈

本書で提示する構成は一例であり、性能を保証するものではありません。性能、可用性、保守性などのお客様要件に応じた設計が必要です。
Veeam Backup & Replicationライセンス以外のライセンス(OSやアプリなど)については個別にお客様でご対応御願いいたします。
ここで紹介する各コンポーネントの個別の機能に対してのお問い合わせは、SDPFの機能に関してはSDPFの各コンポーネント担当に、また、Veeam Backup & Replicationについては、Veeam Backup & Replicationライセンス販売会社にお問い合わせ願います。

Veeam Backup & Replicationについてと構成概要(構成例紹介)

この機能を利用することで、お客様オンプレミス環境など(プライマリサイト)にあるvSphere上のVMを、Smart Data Platform(DR先やマイグレーション先となるセカンダリサイトとして利用)で提供するハイパーバイザー(vSphere)上のVMへレプリケーションすることができます。ここでは、そのしくみを構築するための手順を紹介します。
●必要となるコンポーネントと前提条件
本事例で紹介するシステムを構築するには以下に記載するコンポーネントや前提条件が必要となります。
・プライマリサイト(レプリケーション元)のvSphere(本事例ではESXi5.5を使用):
 レプリケーション元となるVMがあるホストです。お客様のオンプレミス環境などが想定されます。

・セカンダリサイト(レプリケーション先)のvSphere(本事例ではESXi5.5を使用):
 レプリケーション先となるVMがあるホストです。本事例では、Smart Data Platformのハイパーバイザー(vSphere)をDR先やマイグレーション先として使用することを想定します。

・レプリケーションソフトウェア(本事例では、Veeam Backup & Replication Standard Ver.9.0を使用):
レプリケーションする機能を提供するソフトウェアです。後述するVeeamバックアップ・サーバーとバックアップ・プロキシによって構成されます。

・レプリケーション対象となるVM(本事例では Windows Server 2012 R2):
プライマリサイトのvSphere上にあるレプリケーション対象となるVMです。

・プライマリサイトとセカンダリサイトを接続するための回線:
プライマリサイト(レプリケーション元)とセカンダリサイト(レプリケーション先)はNW回線により通信できる必要がございます。
(サイト間の通信要件はVeeamのポート要件を満たす必要がございます。)

・Veeamバックアップ・サーバー:
Veeam Backup & Replicationを実行する物理サーバーまたはサーバーインスタンスです。
本サーバーはレプリケーションの管理コンポーネントであり、コンフィグレーションおよびコントロールの役割を担っております。
また、本サーバーにVeeam Backup & Replicationのセットアップファイルをインストールします。
本事例ではセカンダリサイト(Smart Data Platform)にあるvSphere上のVM(Windows Server 2012 R2)をVeeamバックアップ・サーバとして構築しました。(Veeamのシステム要件を満たす必要がございます。)

・バックアップ・プロキシ:
ESXiのDataSotreのVMデータの取得、サイト間の転送や受け取りの役割を担います。
本事例では、プライマリサイトのvSphere上にVM (Windows Server 2012 R2)1台およびセカンダリサイトのvSphere上のVM (Windows Server 2012 R2)1台、をバックアップ・プロキシとして構築しました。
*なお、Veeamバックアップ・サーバーおよびバックアップ・プロキシはVM Kernelと接続されている必要がございます。
*Veeam Backup & Replicationの詳細機能や要件などは本ページ末尾記載のVeeam社のホームページをご参照下さい。

・Veeam Backup & Replicationのセットアップファイルおよびライセンスファイル
 Veeam Backup & Replicationライセンス購入の際にお伝えする方法にてVeeam Backup & Replicationのセットアップファイルおよびライセンスファイルを入手してください。またVeeamバックアップ・サーバーに配置して下さい。

・各コンポーネントにわりふるIPアドレスやホスト名などの設定情報
・プライマリサイトとセカンダリサイトのそれぞれのESXiの管理者権限IDとパスワード
 (Veeam Backup & ReplicationにてプライマリサイトとセカンダリサイトのそれぞれのESXiと通信するにあたりこれらの情報を登録しておく必要がございます。)


構成例のイメージ


●その他のコンポーネント(任意)や留意点

・vCenter:
Veeam Backup & Replicationでは、レプリケーション元および、レプリケーション先のvSphereホスト情報を登録し通信することでレプリケーションを実施することができますが、vSphereホストを管理するvCenter情報を登録し通信することでもレプリケーションを実行することができます。

・バックアップ・リポジトリ:
バックアップ・ファイルおよびレプリカの補助ファイルの保存に使用する場所となります。
Veeamバックアップ・サーバーにもこの機能があります。
バックアップ・リポジトリはバックアップデータの保存先となる機能もありますが、本事例ではレプリケーションの事例での紹介となりますためその説明は省略いたします。詳細はVeeam社のホームページで提供するマニュアル等をご参照下さい。
*Veeam Backup & Replicationを動作させるにあたっては、インターネットに接続されている必要はございませんが、Veeam Backup & ReplicationのセットアップファイルおよびライセンスファイルをSmart Data Platform上のサーバーに配置する際に、外部環境と接続する必要がございます。
*Smart Data Platformのご利用に際し必要なものは下記をご参照下さい。

/about-sss/tutorials/

・作業用サーバ(Smart Data Platformの仮想インスタンスなどを利用)
以下のような作業に利用するために作業サーバを設置すると利便性が上がります。
プライマリサイトおよびセカンダリサイトのvSphereにVMWare vSphere Clientなどを使って接続し、管理・コントロールを実施。
Veeamバックアップ・サーバーへリモートデスクトップで接続してVeeam Backup & Replicationを管理する。
インターネット接続環境として、ファイルのダウンロード用として利用。
作業用ログ保管先
*本事例では、作業用サーバにSmart Data Platformの仮想インスタンス(Windows Server 2012 R2)を利用しています。
ファイルの一次保管先としても利用するため、ディスク容量はある程度大き目を推奨します。

構築の流れ

以下ではこの構築事例を構成する各コンポーネントの構築の流れを記載します。
①.プライマリサイト(レプリケーション元)での準備
・レプリケーション対象元となるvSphereの準備:既存環境として既に存在することを想定しております。
・対象となるVMの選定
・バックアップ・プロキシ用のVMの準備:
バックアップ・プロキシの役割を担うサーバー(VM)を構築します。レプリケーション対象となるVMと同じホスト上に構築することを推奨します。(本事例ではWindows Server 2012 R2を準備しました。)。
*バックアップ・プロキシはプライマリサイトのvSphereの VM kernelと通信できる必要があります。セカンダリサイトのバックアップ・プロキシとも通信できる必要がございます。

②.セカンダリサイト(レプリケーション先)での準備
・レプリケーション先となるvSphereの準備:Smart Data Platformのハイパーバイザー(vSphere)を構築してください。
構築手順は以下ナレッジセンターを参考に構築して下さい。

vSphere ESXiサーバーの新規作成方法

/services/docs/vsphere/tutorials/vSphereESXi/create.html

*お客様要件を満たすリソースで設計および構築して下さい。
*参考:本事例の環境は
・フレーバー:General Purpose 2
・ESXi:vSphere_ESXi5.5
にて作成。
Datasotereはフレーバー内の内蔵ストレージを利用。
*Datastoreをブロックストレージとして、構築する場合は、以下をご参照下さい。
ブロックストレージのご利用方法

/services/docs/block-storage/tutorials/index.html

vSphereの管理コントロールするための作業用サーバを仮想インスタンスなどを利用してご準備されておかれることを推奨します。
作業用サーバから(VMWare vSphere Clientなどをインストールして)vSphereが管理・コントロールできることを確認して下さい。
・Veeamバックアップ・サーバー用のサーバの準備
 本サーバはvSphere上のVMで構築することは必須ではございません。物理サーバ、仮想インスタンスなどを利用できます。ただし、プライマリサイトおよびセカンダリサイトのvSphereのVM Kernelのネットワークと通信できる必要がございます。また、 プライマリサイトおよびセカンダリサイトのバックアップ・プロキシとも通信できる必要がございます。(本事例ではWindows Server 2012 R2のVMを準備しました。)
・バックアップ・プロキシ用のVMの準備:バックアップ・プロキシの役割を担うサーバー(VM)を構築します。レプリケーション先となるVMと同じホスト上に構築することを推奨します。(本事例ではWindows Server 2012 R2を準備しました)。
*また、本サーバーはセカンダリサイトのvSphereの VM kernelと通信できる必要があります。プライマリサイトのバックアップ・プロキシとも通信できる必要がございます。
③.プライマリサイト(レプリケーション元)とセカンダリサイト(レプリケーション先)を接続するNWの構築
本事例ではプライマリサイトを弊社データセンターのコロケーションラックとしており、セカンダリサイトであるSmart Data PlatformとCIC(コロケーションとSmart Data Platformを接続するNWサービス)で接続しています。接続する弊社コネクサービスであるCICを利用して接続しております。
④.Veeam Backup & Replicationの構築
Veeam Backup & Replicationのインストールや設定に関しましては以下で照会するVeeam社が提供する簡易手順をご参照願います。

https://www.veeam.com/jp/veeam_backup_9_0_evaluators_guide_vsphere_pg.pdf

④-1. Veeam Backup & Replicationのインストール
 上記簡易手順P9~13参照。
④-2. Veeam Backup & Replicationの各コンポーネント(ESXiやバックアッププロキシ)の登録
上記簡易手順P14~22参照。
④-3. レプリケーションジョブの作成およびジョブの実行
上記簡易手順P79~94参照。
④-4. VMレプリカのフェールオーバー(セカンダリサイトへの切り替え)
上記簡易手順P95~97参照。
*フェールオーバーの取り消しとフェールバック(セカンダリサイトへの切り替えの取り消しやプライマリサイトへの切り戻しが必要になった際の処理)
上記簡易手順P97~102参照。

Veeam Backup & Replicationの詳細について

Veeam Backup & Replicationについての製品の詳細な説明やシステム要件などは以下Veeam社のサイトをご参照下さい。
(本サイトの記載に関しましては弊社の管理外となります。)

https://www.veeam.com/jp/

・Veeam Backup & Replicationについての各種紹介ページ
Veeam Backup & Replication 9.0
Veeam Backup & Replication 9.5
・サポートするプラットフォーム
Veeam Backup & Replication 9.0
Veeam Backup & Replication 9.5
・Veeam Backup & Replication ベストプラクティス
本ページ記載の構成例を構築するにあたってのVeeam Backup & Replication利用簡易手順書は下記が参考となります。
Veeam Backup & Replication 9.0
Veeam Backup & Replication 9.5
ここでは、お客様ご自身でVeeam Backup & Replicationを用いたシステムを構築頂くことを前提にご紹介しております。
別途、Smart Data PlatformへのDRやマイグレーションするにあたりVeeam Replication & Backupの構築を支援するDRソリューションを別途ご契約頂くことで提供いたします。詳しくは
ご担当の営業担当にお問い合わせ下さい。
以上です。