3.2.2. ご利用パターン


バックアップに必要な容量や時間の要件が整理できたので、Smart Data Platform(以下SDPF)の環境でArcserveを利用するパターンを検討します。SDPFの環境ではバックアップ先をいくつかの環境に適用できます。
本書では、以下のパターンを例に説明します。

3.2.2.1. ご利用パターン1


バックアップ対象サーバーのローカルドライブをバックアップ先に指定できます。


【ポイント】
 バックアップ対象サーバー内でバックアップおよびリストアの環境を構成でき、低コストで実現できます。
 バックアップ先はローカルフォルダーとなるため、安全性をさらに向上させるためにはパターン2やパターン3を検討する必要があります。

【復旧範囲】
 ファイル単位での障害までを対象としています。サーバー単位の障害やDC障害、大規模災害(地域災害)には対応できません。

3.2.2.2. ご利用パターン2


バックアップ対象サーバーとは別のサーバーを用意し、そのサーバーに接続されているボリュームをバックアップ先に指定できます。


【ポイント】
 同一リージョン内でバックアップおよびリストアの環境を構成できますが、別のサーバーを用意する必要があるので、パターン1よりコストがかかります。また、ネットワーク帯域に注意する必要があります。
 安全性をさらに向上させる場合は、パターン3を検討する必要があります。

【復旧範囲】
 サーバー単位の障害までを対象としています。DC障害や大規模災害(地域災害)には対応できません。

3.2.2.3. ご利用パターン3


SDPF内の別リージョンの利用や、SDPFとは別にコロケーションサービスを利用中の場合、お客さまのサーバーまたはストレージをバックアップ対象サーバーのバックアップ先として利用できます。


【ポイント】
 リージョンの外にバックアップすることで、パターン2に比べて安全性が向上します。SDPF内の別リージョンやコロケーションサービスをこれから接続する場合は、別途接続サービスを契約する必要があるので、パターン2よりコストがかかります。また、ネットワーク帯域に注意する必要があります。

【復旧範囲】
 サーバー単体の障害時およびクラウド基盤の障害時までを対象としています。DC障害や大規模災害(地域災害)には対応できません。

3.2.2.4. ご利用パターン4


Arcserveの復旧ポイントサーバーのレプリケーション機能を用いて、同一リージョン内の別VM(復旧ポイントサーバー)および別環境のVM(復旧ポイントサーバー)にバックアップデータを複製し遠隔保管できます。

【ポイント】
 リージョンの内外にバックアップデータを保管することで、パターン3に比べて安全性が向上します。SDPF内の別リージョンやコロケーションサービスをこれから接続する場合は、別途接続サービスを契約する必要があるので、パターン2よりコストがかかります。また、ネットワーク帯域に注意する必要があります。

【復旧範囲】
 サーバー単体の障害時およびクラウド基盤の障害、バックアップデータの複製先によってはDC障害や大規模災害(地域災害)にも対応できます。