3.2.3. Arcserveを利用したバックアップパターン¶
Arcserveを利用したバックアップには2つの構成パターンがあります。
お客さまのご利用用途に合わせて選択します。
構成パターン | 利用用途 |
単体型 | 構成作業を容易にしたい(手軽にバックアップを実施したい。)
バックアップ対象サーバーが少ない環境
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集中管理型 | 複数台のバックアップ対象サーバーを、一元管理して運用したい
バックアップ計画を複数サーバー単位でまとめて実施したい
重複除外機能など、Arcserve のさまざまなオプションを活用したい
今はサーバーが少ないが、今後サーバーの増加が見込まれる環境
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3.2.3.1. 単体型¶
バックアップ対象サーバーにエージェントをインストールして利用する、最小構成の組み合わせです。
バックアップ先については、「ご利用パターン」を参考にお客さまの利用パターンに合わせて構成してください。本事例ではバックアップ対象サーバーとは別のサーバーにバックアップを取得する場合を紹介します。
- Server A:バックアップ対象サーバー1(Windows)
バックアップを実施する対象のサーバーです。
エージェントのダウンロードおよびインストールを実施します。(図中①)
バックアップタスクを作成し、バックアップを取得します。(図中②)
- Server B:バックアップ対象サーバー2(Linux)
バックアップを実施する対象のサーバーです。
エージェントのダウンロードおよびインストールを実施します。(図中①)
バックアップタスクを作成し、バックアップを取得します。(図中②)
- Server C:バックアップ先ストレージ(Windows)
バックアップ先となるネットワーク共有(CIFS)されたサーバーです。
3.2.3.2. 集中管理型¶
バックアップ対象のサーバーが複数あるシステム構成の場合、1つのサーバーでバックアップの設定や管理を集中管理できます。ここでは、集中管理する際に必要となるArcserve導入時の構成例を環境ごとに記載します。
(環境やバージョンによって異なりますので、1つの例として参照ください。)
注釈
本書で説明する構成例では、以下の構成内容を前提としています。
- すべてのサーバー間において、ネットワークで接続可能な状態としています。
- インターネット接続が可能な構成としています。
Arcserveで集中管理を行う際に必要となる構成要素には、次のようなものがあります。
- Arcserve UDPコンソール:バックアッププランの管理などを実施するサーバーです。Windows Serverにコンソールをインストールして構成します(Linuxサーバーにはインストールできません)。
- 復旧ポイントサーバー:バックアップ保存先となるサーバーです。Windows Serverに復旧ポイントサーバーおよびエージェントをインストールして構成します(Linuxサーバーにはインストールできません)。重複排除などの機能を使えるほか、CIFS共有先よりも高い性能でバックアップを取得できます。
- エージェント:バックアップ対象サーバーです。エージェントをインストールして構成します(バックアップ対象のLinuxサーバーが複数存在する場合、すべてのサーバーにインストールしなくても、バックアップを取得できます。詳細は後述の「Linuxサーバー集中管理型」、「Windows/Linux混在の集中管理型」を参照してください。)。
- Linuxバックアップサーバー:エージェントをインストールしたLinuxサーバーです。Linuxサーバーを集中管理する際、最低1台必要です。
- バックアッププロキシサーバー:ハイパーバイザー上の仮想マシンをエージェントレスバックアップする際に必要です。Windows Serverにエージェントをインストールして構成します。
なお、以降の構成例では集中管理するうえで最低限必要な構成を例に挙げております。さらに詳細な構成をご検討のお客さまは以下のリンク先にあるソリューションガイドをご参考ください。(下記リンクは、Arcserve社のヘルプになります。)
3.2.3.3. Windows Serverの集中管理型¶
バックアップ対象ノードがすべてWindows Serverのシステム構成について、Arcserveで集中管理する際に必要な構成例です。
Arcserve UDPコンソールを導入することで、バックアップ対象ノードやバックアップスケジュールの一元管理、および操作画面が提供されます。
またエージェントのリモートインストールも可能です。
- Server A:Arcserve UDPコンソール(Windows)
Arcserve UDPコンソールのダウンロードおよびインストールを実施します。(図中①)
Arcserve UDPコンソールにてバックアップ対象ノードを追加し、バックアッププランを作成します。(図中②)
バックアップ対象ノードにプランの展開やリモートインストールが実施されます。(図中②)
- Server B:バックアップ対象ノード1(Windows)
バックアップを実施する対象のノードです。
バックアッププランで設定したバックアップ先にバックアップされます。(図中③)
- Server C:バックアップ対象ノード2(Windows)
バックアップを実施する対象のノードです。
バックアッププランで設定したバックアップ先にバックアップされます。(図中③)
- Server D:復旧ポイントサーバー(Windows)
バックアップ先となる復旧ポイントサーバーです。ネットワーク共有(CIFS)にもバックアップを取得できます。
3.2.3.4. Linuxサーバーの集中管理型¶
バックアップ対象ノードがすべてLinuxサーバーのシステム構成について、Arcserveで集中管理する際に必要な構成例です。
エージェントを導入したLinuxサーバーをLinuxバックアップサーバーとすることで、バックアップ対象ノードを一元管理できます。
Linuxバックアップサーバー以外のバックアップ対象ノードにエージェントを導入する必要はありません。
- Server A:Linuxバックアップサーバー(Linux)
エージェントのダウンロードおよびインストールを実施します。(図中①)
エージェントの管理画面にてバックアップ対象ノードを追加し、バックアッププランを作成します。(図中②)
バックアップ対象ノードにプランの展開が実施されます。(図中②)
- Server B:バックアップ対象ノード1(Linux)
バックアップを実施する対象のノードです。
バックアッププランで設定したバックアップ先にバックアップされます。(図中③)
- Server C:バックアップ対象ノード2(Linux)
バックアップを実施する対象のノードです。
バックアッププランで設定したバックアップ先にバックアップされます。(図中③)
- Server D:バックアップ先ストレージ(Windows)
バックアップ先となるネットワーク共有(CIFS)されたサーバーです。復旧ポイントサーバーにもバックアップを取得できます。
3.2.3.5. Windows Server/Linuxサーバー混在の集中管理型¶
バックアップ対象ノードがWindows/LinuxとOSが混在しているシステム構成について、Arcserveで集中管理する際に必要となる構成例です。
「Windows Serverの集中管理構成」と同じ構成ですが、Linuxサーバーをバックアップする際には、エージェントを導入したLinuxバックアップサーバーが最低1台必要です。
- Server A:Arcserve UDPコンソール(Windows)
Arcserve UDPコンソールのダウンロードおよびインストールを実施します。(図中①)
Arcserve UDPコンソールにてLinuxバックアップサーバーを追加します。
Arcserve UDPコンソールにてバックアップ対象ノードを追加し、バックアッププランを作成します。(図中②)
バックアップ対象ノードにプランの展開やエージェントのリモートインストールが実施されます。(図中②)
- Server B:バックアップ対象ノード1(Windows)
バックアップを実施する対象のノードです。
バックアッププランで設定したバックアップ先にバックアップされます。(図中③)
- Server C:バックアップ対象ノード2(Linux)
バックアップを実施する対象のサーバーです。エージェントをインストールしておく必要があります。
バックアッププランで設定したバックアップ先にバックアップされます。(図中③)
- Server D:バックアップ対象ノード3(Linux)
バックアップを実施する対象のノードです。
バックアッププランで設定したバックアップ先にバックアップされます。(図中③)
- Server E:復旧ポイントサーバー(Windows)
バックアップ先となる復旧ポイントサーバーです。ネットワーク共有(CIFS)にもバックアップを取得できます。
注釈
- Arcserve UDPコンソール、復旧ポイントサーバーがインストールできるのは、Windows Serverのみです。
- Arcserve UDPコンソールからエージェントのリモートインストールができるのは、Windows Serverのみです。
3.2.3.6. ハイパーバイザーサービス上にある仮想マシンの集中管理型(エージェントレス)¶
バックアップ対象ノードがすべてハイパーバイザーサービス上の仮想マシンのシステム構成について、Arcserveで集中管理する際に必要となる構成例です。
Arcserve UDPコンソールを導入することで、バックアップ対象ノードを一元管理できます。
バックアップ対象の仮想マシンにはエージェントを導入する必要がなく、エージェントレスでバックアップできますが、エージェントレスバックアップをするためにはバックアッププロキシサーバーを用意する必要があります。
- Server A:Arcserve UDPコンソール(Windows)
Arcserve UDPコンソールのダウンロードおよびインストールを実施します。(図中①)
Arcserve UDPコンソールにてバックアッププロキシサーバーを追加します。(図中②)
Arcserve UDPコンソールにてバックアップ対象ノードを追加し、バックアッププランを作成します。(図中②)
バックアッププロキシサーバーにプランの展開やエージェントリモートインストールが実施されます。(図中②)
- Server B:バックアッププロキシサーバー(Windows)
エージェントレスバックアップを実施するための、エージェントをインストールしたサーバーです。
バックアッププランで設定したバックアップ処理が実行されます。
- Server C:バックアップ対象ノード1(Windows)
バックアップを実施する対象のハイパーバイザー上仮想マシンです。
バックアッププランで設定したバックアップ先にバックアップされます。(図中③)
- Server D:バックアップ対象ノード2(Linux)
バックアップを実施する対象のハイパーバイザー上仮想マシンです。
バックアッププランで設定したバックアップ先にバックアップされます。(図中③)
- Server E:バックアップ先ストレージ(Windows)
バックアップ先となる復旧ポイントサーバーです。ネットワーク共有(CIFS)にもバックアップを取得できます。
注釈
- 仮想マシンのゲストOSはWindows/Linux混在の環境でもバックアップが可能です。
- ESXiの場合、コンテナオブジェクト(リソースプールなど)をバックアップ対象としてオブジェクト内に新規仮想マシンを作成することで、バックアップ対象として自動検出され、バックアッププランを変更することなく新規仮想マシンをバックアップできます。