1.1.3.2. OSの初期設定をする

本項では、以下の各実装において共通するIoT機器のOS初期設定について説明します。

  • 実装1: IoT機器の遠隔コマンド実行
  • 実装2: IoT機器からの画像送信・Things Cloudでの画像表示
  • 実装3: IoT機器からThings Cloudへの各種測定値送信

なお、本書中の設定値の「< >」の表記については、ご利用の環境により各自入力いただく箇所となります("<"から">"までを設定値に置き換えてください)。

IoT機器を準備する

本書では、IoT機器として「Raspberry Pi 4 8GB Model B」を利用しています。

あらかじめ、OSのインストールおよびネットワーク接続などの初期設定を実施してください。

文字コードは”UTF-8”を使用してください。(以後も同様)

  • OS: Debian GNU/Linux 11 (bullseye)(本項記載時のバージョン)

開発用ユーザーを作成する

本システムの開発用ユーザーを作成し、必要な権限を付与する手順です。

  1. 管理者権限を持つアカウントでOSにログインします。

  2. 以下のコマンドで開発用ユーザーとして利用するユーザーを作成します。

    # adduser <開発用ユーザー>
    
  3. 上記コマンドを実行後、以下の内容が表示されるため、新たに作成したユーザーのパスワードを設定します。

    new UNIX password: <開発用ユーザーのパスワード>
    
  4. 以下のコマンドを実行し、すべてのグループを表示します。

    # groups
    

    表示例:

    pi <group 1> <group 2> .. <group n>
    
  5. 以下のコマンドを実行し、開発用ユーザーをpi以外のグループに所属させます。

    # usermod -aG <group 1>,<group 2>,..,<group n> <開発用ユーザー>
    
  6. 以下のコマンドで開発用ユーザーの所属しているグループを確認します。

    # groups <開発用ユーザー>
    

本システム用ディレクトリを作成する

本システムの実行ファイルや設定ファイルを配置するためのディレクトリを作成する手順です。

注釈

  • 本項では例として、本システム用のディレクトリを「/usr/local/sdpf-iot」としています。
    お使いの環境に合わせて読み替えてください。
  1. 管理者権限を持つアカウントでOSにログインします。

  2. 以下のコマンドを実行し、本システム用のディレクトリを作成します。

    # mkdir /usr/local/sdpf-iot/
    
  3. 以下のコマンドを実行し、作成したディレクトリの所有者を開発用ユーザーに変更します。

    # chown -R <開発用ユーザー>:<開発用ユーザー> /usr/local/sdpf-iot/
    
  4. 以下のコマンドを実行し、作成したディレクトリのパーミッションを設定します。

    # chmod -R 755 /usr/local/sdpf-iot/