VMware ESXi for BYOL構築ガイド

はじめに

本文書の目的、位置づけ

この文書は、Smart Data Platform(以下、「SDPF」と記載します)をカスタマーポータルからご利用であり、VMware社が提供するvSphere製品を活用した仮想化環境構築経験のあるお客さまを対象としております。
以下のメニューの作成が完了した段階からの手順をご紹介しております。
事前に作成されているメニュー一覧
項目 作成状況
SDPFのお申込み お申込みが完了
ロジカルネットワークメニュー vSphereマネージメント用(データプレーン)/vSphereサーバーインスタンス通信用(データプレーン)/ストレージ接続用(ストレージプレーン)の合計3IDの作成完了
ブロックストレージメニュー(IO性能確保) LUNの作成が完了
ファイアウォールメニュー (Brocade 5600 vRouter) ファイアウォールの作成完了
インターネット接続メニュー インターネットゲートウェイの作成完了

セットアップ前の構成イメージ

ESXi for BYOLの構成イメージ

ESXiの構成イメージ

セットアップ後の構成イメージ

ESXi for BYOLの構成イメージ

ESXiの構成イメージ

事前にご準備いただくもの

  • vSphere Clientがインストール可能な端末(ESXiの操作はコンソール接続時以外、vSphere Clientで実施します)インストールに必要な要件は以下のVMware社の vSphere Client and vSphere Web Client Software Requirements を参照してください。
  • SDPFにインターネット接続可能なネットワークをご用意ください。

参照する詳細情報

主に以下の詳細情報を参照頂き、本手順書をご確認ください。

  • ベアメタルサーバー 詳細情報
  • OS 詳細情報
  • VMware ESXi for BYOL詳細情報

本書のご利用にあたって

本書を参照いただくにあたって、以下の点にご留意ください。

  • 本書では、本書にて紹介する構成を、実際に当社にて構築した際の手順を、一例として紹介します。お客さまの環境・構成において動作することをお約束するものではありません。
  • 本書では、本書で扱う構成を構築する場合に求められるSDPF固有の操作を中心に紹介します。vSphere ESXiの一般的な操作方法については、記載しておりませんのでご注意ください。
  • 本書では、ロジカルネットワークの作成やファイアウォールの作成、サーバーインスタンスの作成など一般的な操作について記載しておりません。一般的な操作は、Smart Data Platform 詳細情報やチュートリアルをご参照ください。
  • 本書の記載は、予告なく変更する場合がございますので、あらかじめご了承ください。

構築手順

ロジカルネットワークのポートの削除

ベアメタルサーバーメニューで作成されるロジカルネットワークのポートはセグメントIDが3で設定されます。 セグメントIDを変更するために、ポートを削除し、当該ロジカルネットワークに新たなポートを作成します。

ポートの削除

削除するポートの選択

ポートの削除確認

ポートの削除確認

ロジカルネットワーク(データプレーン)のポート新規追加

ベアメタルサーバーにロジカルネットワーク(データプレーン)の新規ポートを2つ追加します。 ここでは、セグメントID(vlan)"100"のマネジメント通信用のポートを作成します。

ポートの追加

ポートの追加

ポート設定の詳細

ポート設定の詳細

作成したポートの確認

作成したポートの確認

ベアメタルサーバーのiLOからESXiのコンソールへの接続

ベアメタルリモートコンソールアクセスにより、ベアメタルサーバーのiLOにログインし、ESXiのコンソール画面を立ち上げます。

リモートコンソールアクセスの情報

リモートコンソールアクセスの情報

iLOへのログイン

iLOへのログイン

ESXiへのログイン画面

ESXiへのログイン画面

ESXiのネットワーク設定の変更

ロジカルネットワークの設定に合わせ、ESXiのネットワーク設定を変更します。 ここでは、セグメントID(vlan)とIPアドレスの画面を例示します。

ESXiのvLAN変更

ESXiのvlan変更

ESXiのIPアドレス変更

ESXiのIPアドレス変更

データプレーンに接続するESXi vmnicのチーミング設定

ステージングサーバーから、vSphere ClientでESXiへアクセスし、データプレーンに接続しているもう一つのvmnic3のチーミング設定を行います。
vmnic3の有効化

vmnic3の有効化

ESXiのチーミング設定

ESXiのチーミング設定

重要

ベアメタルサーバーの物理NICポートは4ポートとなっており、ロジカルネットワークとしてデータプレーン接続用に2ポート、ストレージプレーン接続用に2ポートご利用いただけます。また、各プレーンとの物理NICポートは異なるネットワークインターフェースカードに収容されており、異なる対向スイッチに接続されております。なお、物理NICポート/対向スイッチなどの故障が発生する可能性がありますが、その場合、故障が発生した接続部分は断となります。そのため、データプレーン/ストレージプレーンとの接続毎に物理NICポートの故障、対向スイッチの故障に対応する冗長構成が取れるよう構成してください。

なお、ロジカルネットワークのポートには必ずIPアドレスが必要となります.
NICチーミングを行った場合も、双方のロジカルネットワークのポートには、IPアドレスが設定されますが、VMware ESXiのvSwitchに設定するVLANとロジカルネットワークのセグメントID(VLAN)により通信可能ですので、ご注意ください。

ベアメタルサーバーメニューの詳細情報にも記載がありますが、ポートのアサインは以下のようになっています。
<参考>ベアメタルサーバーにおけるESXi-NIC名との相関表
ベアメタルサーバー物理NICポート ロジカルネットワークのプレーン ESXiのvmnic ESXiにおける用途
1 データプレーン vmnic0
VMkernelポート(管理/HA/vMotion用)
仮想マシントラフィック用ポートグループ
2 ストレージプレーン vmnic1 VMkernelポート(ブロックストレージとのiSCSI接続用)
3 ストレージプレーン vmnic2 VMkernelポート(ブロックストレージとのiSCSI接続用)
4 データプレーン vmnic3
VMkernelポート(管理/HA/vMotion用)
仮想マシントラフィック用ポートグループ

ストレージプレーンに属するロジカルネットワークのポート追加

カスタマーポータルからストレージプレーンに属するロジカルネットワークのポート追加を行います。

ベアメタルサーバーへのポートの追加

ベアメタルサーバーへのポートの追加

ポートへのストレージプレーン側セグメントIDの設定

ポートへのストレージプレーン側セグメントIDの設定

ストレージプレーンへ接続するVMkernelインターフェースの作成

  • vSphereClientからStoragePlaneへ接続するvSwitchへ、インターフェースの作成を実施します。
  • 今回、マルチパスでの冗長化を図るため、2つのVMKernelインターフェースを作成します。
  • その際のNW設定は同一ロジカルネットワーク/同一サブネットからのアドレスを付与します。
<例>ストレージ接続における設定例
VMKernelインターフェース VLAN ロジカルネットワーク IPアドレス
Storage-NW01 200 Storage01-ESXi 192.168.XXX.11
Storage-NW02 200 Storage01-ESXi 192.168.XXX.12
VMkernelインターフェースの作成例

VMkernelインターフェースの作成例

  • iSCSIポートバインドを可能にする設定を実施します。
    上記のInterface設定のみでは適切なマルチパス設定が適用されません。
    iSCSIマルチパスを有効化する為にはポートバインド設定が必要となります。
    本設定はiSCSIマルチパスでの冗長化構成とvSwitchにおける冗長機能の競合を避けるために実施するものです。
    詳細はVMware社公開KB Considerations for using software iSCSI port binding in ESX/ESXi (2038869) を確認ください。
ストレージ接続におけるポートバインド設定例
VMKernelインターフェース 変更前/変更後 Active Standby Unused
Storage-NW01 変更前 vmnic1 vmnic2 N/A
  変更後 vmnic1 N/A vmnic2
Storage-NW02 変更前 vmnic1 vmnic2 N/A
  変更後 vmnic2 N/A vmnic1

上記設定は下記各VMkernelインターフェースのチーミング設定画面にて実施します。

チーミング設定

VMkernelチーミング設定

ソフトウェアiSCSIアダプタの作成

  • vSphereClientからVMware ESXi機能であるソフトウェアiSCSIアダプタを有効化します。
ソフトウェアiSCSI有効化前

ソフトウェアiSCSI有効化前

ソフトウェアiSCSI有効化後

ソフトウェアiSCSI有効化後

ソフトウェアiSCSIアダプタにおけるポートバインド設定

ポートバインド設定前前

ポートバインド設定前

ポートバインド設定後

ポートバインド設定後

iSCSIイニシエーターの設定/ストレージのマウント

  • 事前に作成したブロックストレージのLUNをターゲットとしたiSCSIイニシエーターを設定します。
    設定後、ESXiのStorage Adapters設定画面から、ストレージをマウントします。
iSCSIで接続するストレージとの接続

iSCSIで接続するストレージとの接続

iSCSI Qualified Name(iQN)の確認後

iSCSI Qualified Name(iQN)の確認後

データストアの作成

  • LUNの設定を行い、データストアを作成します。
LUNの追加

LUNの追加

データストア作成完了後

データストア作成完了後

サーバーインスタンスの作成

  • サーバーインスタンスの作成を開始します。
サーバーインスタンスの作成

サーバーインスタンスの作成

サーバーインスタンス作成完了

サーバーインスタンスの作成完了

サーバーインスタンス用のISOイメージの持ち込み

  • データストアにローカルフォルダからOS等のバイナリファイルをアップロードします。
    サーバーインスタンスにCD/DVDドライブをマウントし、OSをインストールすることができます。
データストアへのファイルのアップロード

データストアへのファイルのアップロード

サーバーインスタンスへCD/DVDドライブのマウント

サーバーインスタンスへCD/DVDドライブのマウント

インストールするバイナリの選択

インストールするバイナリの選択

データプレーンへ仮想マシン通信用ロジカルネットワークのポート追加

  • 前項で作成した仮想マシン通信に使用する、ロジカルネットワークのポートを作成します。
    本設定はDataPlaneへ接続される物理ポートすべてへ適用します。
    カスタマーポータルより設定を実施します。
仮想マシン接続における設定例
ロジカルネットワークポート名 VLAN ロジカルネットワーク vmnic
VM-Seg01 300 Data03-BM vmnic0
VM-Seg01 300 Data03-BM vmnic3
ロジカルネットワークのポート追加前

ロジカルネットワークのポート追加前

ロジカルネットワークのポート追加後

ロジカルネットワークのポート追加後

仮想マシン用ポートグループの作成

  • 前項で設定したロジカルネットワークのポート設定より、vSwitchへ仮想マシンポートグループを作成します。
    なお、作成後には本ポートグループのチーミング設定を以下へ変更しています。
仮想マシンポートグループの追加前

仮想マシンポートグループの追加前

仮想マシンポートグループの追加後

仮想マシンポートグループの追加後

仮想マシンポートグループのチーミング設定

仮想マシンポートグループのチーミング設定

仮想マシンポートグループにおけるチーミング設定例
仮想マシンポートグループ 変更前/変更後 Active Standby Unused
VM-seg1 変更前 vmnic0,vmnic3 N/A N/A
  変更後 vmnic3 vmnic0 N/A