4.3.8. 移行情報の確認編¶
本書では、例としてWindows Server 2016のサーバーにインストールされたArcserve UDP コンソールのアップグレード後の確認方法を記載します。
注釈
本書で提示する構成は一例であり、お客さまの環境に応じた移行情報の確認が必要です。
4.3.8.1. バックアップスケジュール、ログの確認¶
1.Arcserve UDP コンソールがインストールされているサーバーでArcserve UDP コンソールにログインします。
2.Arcserve UDPコンソール画面が開いたら、[リソース]―[プラン]―[すべてのプラン]をクリックし、アップグレード前のバックアップスケジュールが設定されていることを確認します。
3.Arcserve UDPコンソール画面で、[ログ]をクリックし、メッセージに現在のArcserveのバージョンが表示されていること、過去のログが表示されているかを確認します。
4.3.8.2. 復旧メディアの再作成(Windows)¶
1.Arcserveのバージョンをアップグレード後、再度、復旧メディアを作成する必要があります。復旧メディアの作成のためのウィザードを起動します。
Windows スタートアップ メニューから、[Arcserve UDP ブートキットの作成]を選択してください。
注釈
アップグレード前の復旧メディアを用いてリストアはできません。
以下の復旧メディア作成時およびリストア後にドライバーを認識する必要があるため、あらかじめ、ドライバー類をダウンロードし、バックアップ対象サーバー(この復旧メディアを作成するサーバー)の任意の場所に保存してください。
ダウンロードするファイルは後述する「ドライバーファイルについて」を参照ください。
2.「BMR ISO イメージの種類を指定」画面で、該当するものを選択し、[次へ]をクリックします。
(ここでは、Windows Server 2016を対象としているため[Windows 10]を選択しています。)
注釈
- Windows 7 WAIK : Windows 2003、Vista、2008、2008 R2用
- Windows 8/8.1 ADK: Windows 8、8.1、Server 2012、Server 2012 R2用
- Windows 10 ADK : Windows 10、Server 2016、Server 2019用
Windows ADK(Windows アセスメント & デプロイメント キット)または Windows AIK(Windows 自動インストール キット)がインストールされていない場合は、「Windows ADK または AIK 情報」画面が表示されます。
3.画面下部の「ここをクリックすると、Windows 10用 Windows ADKのダウンロードセンターにアクセスできます。」の[ここをクリックすると、] をクリックします。
(ここでは、Windows ADKをインストールし、ブートキットを作成する手順を説明します。)
Windows ADKのダウンロード
4.Microsoft社のWebページ「Windows ADK のダウンロードとインストール」(https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows-hardware/get-started/adk-install)が開きます。
ADKをダウンロードします。[Windows ADK for Windows 10 バージョン 1809 のダウンロード]、[ADK 用の Windows PE アドオンのダウンロード]をそれぞれクリックし、2つのファイルをダウンロードします。
5.ダウンロードした[adksetup.exe]をダブルクリックし、起動します。
6.Windows ADKのインストール先のフォルダーを指定します。任意のインストール先を参照から選択してください。[次へ]をクリックします。
7.「Windows キット プライバシー」画面にて必要に応じ、[はい]または[いいえ]を選択し、[次へ]をクリックします。
8.「使用許諾契約」画面で使用許諾契約の条項を確認し、同意する場合は[同意する]をクリックします。
9.「インストールを行う機能を選択してください」画面にて、[Deployment Tools]を選択し、[インストール]をクリックします。
10.インストール完了後、「Windows アセスメント & デプロイメント キット - Windows 10 へようこそ」画面にて、[閉じる]をクリックします。
11.次に、ダウンロードした[adkwinpesetup.exe]をダブルクリックし、起動します。
12.[Install the Windows アセスメント & デプロイメントキット Windows Preinstallation Environment アドオン - Windows 10 to this computer]を選択し、[Next]をクリックします。
13.「Windows Kits Privacy」画面にて必要に応じ、[Yes]または[No]を選択し、[Next]をクリックします。
14.「License Agreement」画面にて、ライセンス条項を確認し、同意する場合は[Accept]をクリックします。
15.「Select the features you want to install」画面にて、[Windows Preinstallation Environment (Windows PE)]を選択し、[Install]をクリックします。
16.「Welcome to the Windows アセスメント & デプロイメント キット Windows Preinstallation Environment アドオン - Windows 10!」画面が表示されたら、[Close]をクリックします。
17.下記画面に戻り、[次へ]をクリックします。
18.「ブートキット方式の選択」画面にて、[ブート可能 BMR ISOイメージの作成]を選択し、[次へ]をクリックします。
19.「プラットフォームとデスティネーションの選択」画面の「プラットフォームの指定」にて、復旧用メディアに含めるBMRイメージのプラットフォームを選択します。
[x86 プラットフォーム用のBMRイメージ]および[x64 プラットフォーム用のBMRイメージ]の両方にチェックを入れることを推奨します。
(ここでは、両方のプラットフォームで使用できるよう[x86 プラットフォーム用のBMRイメージ]および[x64 プラットフォーム用のBMRイメージ]を選択しています。)
20.「プラットフォームとデスティネーションの選択」画面の「デスティネーションの指定」にて、「BMR ISOイメージを保存するための保存先フォルダーを参照します」および「BMR ISO イメージの名前の入力」でそれぞれを指定し、[次へ]をクリックします。
21.「言語の選択」画面にて、利用する言語を選択してください。(ここでは[日本語]を選択します。)
[次へ]をクリックします。
22.「ドライバの指定」画面にて、[作成]をクリックします。
※ドライバーを組み込んだ BMR ISO イメージを作成する場合は、[ローカルドライバーを含む]または[ドライバーの追加]を選択し、ドライバーを導入します。
●ドライバーファイルについて
Smart Data Platform(以下SDPF)サーバーインスタンスにWindowsのバックアップをリストアする場合、復旧メディア(ISO)にVirtIOのNICドライバーを追加しておく必要があります。(リストア時にISOブートした際にvNICを認識させるため)
追加するデバイスは、以下のとおりです。
・ネットワーク ←ドライバーISOファイル内の「NetKVM」フォルダー(ファイル一式)
(上記設定では、このフォルダー内にある「netkvm.inf」を選択します)
・SCSIコントローラ ←ドライバーISOファイル内の「vioscsi」フォルダー(ファイル一式)
(上記設定では、このフォルダー内にある「vioscsi.inf」を選択します)
・ディスク ←ドライバーISOファイル内の「viostor」フォルダー(ファイル一式)
(上記設定では、このフォルダー内にある「viostor.inf」を選択します)
- ダウンロードファイル:
Stable virtio-win iso:
上記をダウンロード後、ファイルの中から以下の3つのフォルダーを取得してください。
- NetKVM
- vioscsi
- viostor
23.復旧メディアの作成が始まります。
24.「ブート可能 BMR イメージの作成」画面にて、BMR ISOイメージの作成が完了すると以下の画面が表示されます。
[完了]をクリックします。
25.以下が生成された復旧メディアです。(拡張子:ISO)
以上で復旧メディア(Windows)の作成は完了です。
4.3.8.3. 復旧メディアの再作成(Linux)¶
1.Arcserveのバージョンをアップグレード後、再度、復旧メディアを作成する必要があります。
Arcsereve(Linux版)では、復旧メディアはアップグレード時に再作成されます。
アップグレード時に出力される以下の文にその保存先が表示されているので、そのディレクトリ配下からメディアを取得します。
注釈
アップグレード前の復旧メディアを用いてリストアはできません。
2./opt/Arcserve/d2dserver/packages 配下にUDP_Agent_Linux-LiveCD.isoがあることを確認します。
3.本書ではSDPF上のサーバーインスタンスにて復旧する想定としているため、この復旧メディアをSDPF上からアクセスできる操作端末などにコピーします。
(ここでは、/fileというフォルダーをSDPF上からアクセスできる操作端末などの任意のフォルダーにマウントしているので、そこにコピーを実施しています。)
4.フォルダー上にコピーされたことを確認します。
以上で復旧メディア(Linux)の作成は以上です。
4.3.8.4. その他¶
- アップグレード後も、旧バージョンで取得したバックアップをリストアできます。
- アップグレード後、Arcserve UDP v7.0 の画像が残ることがあります。ブラウザーのキャッシュ履歴を削除すれば、画像を最新化できます(機能は問題ありません)。
- アップグレード後、初回のバックアップスケジュールでは検証バックアップです。
- Arcserve UDP 8.x のインストール・アップグレードに関する注意事項は下記を参照ください。
https://support.arcserve.com/s/article/2021032301?language=ja
以上で移行情報の確認は完了です。