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Red Hat Enterprise Linux8.6 / Rocky Linux 8.5 でスナップショットからの初回起動時やArcserveを利用したリストア時にインスタンス内の一部設定が変更される事象について

サーバーインスタンス

2022年10月24日 (2024年3月12日:更新)

事象概要

Red Hat Enterprise Linux 8.6 / Rocky Linux 8.5 でcloud-initの初回実行時(スナップショットからの初回起動時、Arcserveを利用したリストア、初めてメタデータサービスと通信可能な状態となった後のインスタンス再起動時など)にインスタンス内の下記設定が変更される事象がございます。

cloud-initの仕様とメタデータサービスについては下記をご参照下さい
https://sdpf.ntt.com/faq/virtual-server-56/
https://sdpf.ntt.com/services/docs/server-instance/service-descriptions/virtual-server.html#id29

ただし、事象3については、Red Hat Enterprise Linux 8.6 のみ該当し、Rocky Linux 8.5 では発生しません。

1. rootユーザーでのログイン時にパスワードの再設定が必要になる

2. 時刻設定がUTCに設定される

3. キーボード設定がusに設定される(Red Hat Enterprise Linux 8.6 のみ)

事象詳細

上記の事象は共通してCloud-initの設定よるものであり、初回起動時Cloud-initが動作する場合に本事象が発生します。

1. rootユーザーでのログイン時にパスワードの再設定が必要になる件の詳細

事前にrootユーザーに設定していたパスワードが期限切れになります。その際rootユーザーでのログイン時にパスワードの再設定が求められます。rootを除く他のユーザーのパスワードは期限切れにならず引き続きご利用いただけます。

2. 時刻設定がUTCに設定される件の詳細

事前に設定していた時刻設定が初期値の”UTC”に自動で設定されます。

具体的には下記の”例2-1”ように日本標準時を設定していた場合、”例2-2”のようにUTCに設定されます。

例2-1 日本標準時を設定している場合の時刻設定の状態
[root@test ~]# timedatectl status
Local time: Fri 2022-10-07 11:04:20 JST
Universal time: Fri 2022-10-07 02:04:20 UTC
RTC time: Fri 2022-10-07 02:04:19
Time zone: Asia/Tokyo (JST, +0900)
System clock synchronized: yes
NTP service: active
RTC in local TZ: no

例2-2 スナップショット等からの初回起動時に時刻設定が初期値の”UTC”に自動で設定された状態
[root@test ~]# timedatectl status
Local time: Fri 2022-10-07 02:22:41 UTC
Universal time: Fri 2022-10-07 02:22:41 UTC
RTC time: Fri 2022-10-07 02:22:40
Time zone: Etc/UTC (UTC, +0000)
System clock synchronized: yes
NTP service: active
RTC in local TZ: no

3) キーボード設定がusに設定される件の詳細

事前に設定したキーボード設定が初期値のusに設定されます。

具体的には下記の”例3-1”ようにjpを設定していた場合、”例3-2”のようにusに設定されます。

例3-1 日本語を設定している場合のキーボード設定の状態
[root@test ~]# localectl
System Locale: LANG=en_US.UTF-8
VC Keymap: jp
X11 Layout: jp

例3-2 スナップショット等からの初回起動時にキーボード設定が初期値のusに自動で設定された状態
[root@test ~]# localectl status
System Locale: LANG=en_US.UTF-8
VC Keymap: us
X11 Layout: us

※事前に設定したSystem LocaleLANG=en_US.UTF-8になる事象について下記のFAQの”2.影響範囲”をご確認ください。
サーバーインスタンスのオフィシャルイメージに含まれているcloud-initおよびcloudbase-initの仕様について教えて下さい。

対処方法

事前にインスタンス内の設定で/etc/cloud/cloud.cfgの1,2,3に該当する設定をコメントアウトしておくことで、各事象を回避できます。

コメントアウトを行う箇所は、/etc/cloud/cloud.cfg中の下記の設定です。

1. rootユーザーでのログイン時にパスワードの再設定が必要になる件の該当箇所
chpasswd:
list: |
root:root
expire: True

コメントアウト後
#chpasswd:
# list: |
# root:root
# expire: True

2. 時刻設定がUTCに設定される件の該当箇所
timezone: Etc/UTC

コメントアウト後
#timezone: Etc/UTC

3. キーボード設定がusに設定される件の該当箇所
runcmd:
- localectl set-keymap us
- localectl set-x11-keymap us

コメントアウト後
#runcmd:
# - localectl set-keymap us
# - localectl set-x11-keymap us

改修目途

2023年3月2日(RHEL8.6)、2024年3月1日(Rocky Linux8.5)の改修版リリースにより、本事象は解消しました。ご不便をおかけし、申し訳ございませんでした。
なお、改修前のオフィシャルイメージテンプレートから起動したインスタンスをご利用中のお客様は、引き続き本ページの対処が必要となります。対象は以下の通りです。

  • RockyLinux8.5

    • 旧オフィシャルイメージテンプレート:RockyLinux-8.5_64_virtual-server_02

  • RHEL8.6

    • 旧オフィシャルイメージテンプレート:RedHatEnterpriseLinux-8.6_64_include-license_virtual-server_12

更新履歴

更新日 更新内容
2022年10月24日 初版
2023年3月2日 RHEL8.6を改修。
2024年3月1日 Rocky Linux8.5の改修により本事象を解消。
2024年3月12日 改修目途に追記。