基本構築ガイド 説明書


1. 目的

本基本構築ガイドは、代表的な構築モデルの構築手順を提示することにより、 Smart Data Platformのご利用が初めての方でもスムーズにご利用開始出来ることを目的としています。

また本書ではSmart Data Platformで環境を構築するために必要となる概念や考え方も合わせて記載しいます。


2. 対象者

本書を利用される方は以下のとおり想定しています。

  • 始めてSmart Data Platformで環境構築を行う方
  • 他社のクラウドサービスから乗り換えを検討されている方
  • オンプレ環境をクラウドサービスへ変更を検討されている方

3. 事前準備

Smart Data Platformで環境構築作業を行うためには以下のクライアント環境を準備する必要があります。 | 作業開始前までにご準備をお願いします。

  1. SSHクライアントソフトウェアがインストールされており、使用できること(CentOS版)
  2. リモートデスクトップソフトウェアがインストールされており、使用できること(Windows版)
  3. Smart Data Platformのコントロールパネルを利用するためのブラウザがインストールされており、使用できること

3.1. SSHクライアントソフトウェアについて

必要に応じて、ベアメタルサーバーまたはサーバーインスタンスの操作を行うためにSSHクライアントソフトをご用意ください。


3.2. リモートデスクトップソフトウェアについて

必要に応じて、ベアメタルサーバーもしくはサーバーインスタンスの操作を行うためにリモートデスクトップソフトをご用意ください。通常、Windowsに標準で付属しているリモートデスクトップ接続を利用します。


3.3. コントロールパネルを閲覧するためのブラウザ

Firefox/Chromeが対応ブラウザとなっています。


4.モデル一覧

代表的なモデル構築例として以下を取り上げます。

4.1. 基本構成

4.2. Webサーバー(シングル構成)

4.3. Webサーバー(冗長構成)

4.4. Web3層(冗長構成)


4.1. 基本構成

Smart Data Platformを利用する為の最小限の構成となります。

サーバーインスタンス上に簡易的なサーバーを構築し、クライアントPCからインターネット経由でサーバーインスタンスへアクセスができるシステムとなっています。


4.1.1. ユースケース

  • 低コストで利用したい方
  • 強固なセキュリティ対策が必要でない方(セキュリティ対策はOSで提供する機能となります)
  • ※本構成での長期利用は推奨されません。

4.1.2. システム構成(簡易イメージ)

システム構成図は以下の通りです。


../../_images/modelA-1.png

4.2. Webサーバー(シングル構成)

サーバーインスタンス上に簡易的なWebサーバーを構築し、クライアントPCからインターネット経由でサーバーインスタンスへアクセスができるシステムとなっています。


4.2.1. ユースケース

  • セキュリティ対策を行った上で最小限のWebサーバーをご利用されたい方
  • 故障やサーバメンテナンスによる利用停止時間が問題とならない方
  • ※本構成での商用サービスは推奨されません。

4.2.2. システム構成(簡易イメージ)

システム構成図は以下の通りです。


../../_images/modelA-2.png

4.3. Webサーバー(冗長構成)

サーバーインスタンス上に簡易的なWebサーバーを構築し、クライアントPCからFIC(Flexible InterConnect)またはインターネット経由でサーバーインスタンスへアクセスができるシステムとなっています。また障害発生時にもシステム全体の機能を維持し続けられるよう冗長構成としています。


4.3.1. ユースケース

  • セキュリティ対策を行った上でWebサーバーをご利用されたい方
  • クライアントPCからFIC経由でWebサーバーをご利用されたい方
  • 障害発生時に業務停止時間を最小限に抑えたい方
  • リソース障害に備え、Backup/Restore運用をしたい方(対象:サーバーインスタンス、Managed Load Balancer)

4.3.2. システム構成(簡易イメージ)

システム構成図は以下の通りです。


../../_images/modelB.png

4.4. Web3層(冗長構成)

一般的なWeb3層モデルをベースとし、クライアントPCからFIC(Flexible InterConnect)またはインターネット経由でサーバーインスタンスへアクセスできるシステムとなっています。また障害発生時にもサービス継続を維持出来るように冗長構成となっています。


4.4.1. ユースケース

  • セキュリティ対策を行った上でWebサーバーをご利用されたい方
  • クライアントPCからFIC経由でWebサーバーをご利用されたい方
  • Webサーバー、APサーバー、データベースを連携させたをシステムを構築したい方
  • 障害発生時に業務停止時間を最小限に抑えたい方
  • リソース障害に備え、Backup/Restore運用をしたい方

(対象:サーバーインスタンス、ベアメタルサーバー、ブロックストレージ、Managed Load Balancer)


4.4.2. システム構成(簡易イメージ)

システム構成図は以下の通りです。


../../_images/modelC.png

5. SDPF 解説一覧

  • システム構成図凡例一覧

図に使用される表記の凡例は 凡例一覧 を参照してください。


  • ロジカルネットワークの概念

ロジカルネットワークとは、テナント内でお客さまが所有する各リソースに接続することができるL2ネットワーク接続のことを言います。 これによりお客さまは、任意のリソース同士のL2接続を確立でき、自由なテナント内ネットワーク設計を実現することができます。

また、ロジカルネットワーク内は冗長化されており、障害発生時の中継基盤の切り替わり時に想定している通信断時間は約1分間となります。

ロジカルネットワークの詳細については詳細情報、ロジカルネットワーク を確認してください。


  • リージョン、ゾーン、グループの概念

Smart Data Platformでは、最大3段階のロケーション(リージョン、ゾーン、グループ)を設定することが可能となります。


リージョン、ゾーン、グループの概念

リージョン 国や地域レベルの集合単位
ゾーン 収容ビルの集合単位
グループ 収容設備(搭載ラックのイメージ)の収容単位
../../_images/region-zone-group1.png

各リソースをリージョン、ゾーン、グループそれぞれに配置することで、各レベルでの障害対策が可能となります。

ケース1:グループでの障害発生時

../../_images/region-zone-group2.png

同じリソースをグループA、Bに配置している為、グループBで障害が発生しても、グループAのリソースで業務継続が可能となります。


ケース2:ゾーンでの障害発生時

../../_images/region-zone-group3.png

各ゾーン配下に同じリソースをグループごとに配置しているため、ゾーン2で障害が発生しても、ゾーン1で業務継続が可能となります。

詳細については詳細情報、リージョン/ゾーン/グループ を確認してください。


  • サーバーインスタンスのキーボード配列について

サーバーインスタンスにコントロールパネル上のコンソールから接続した際、お客さま側で日本語キーボード(JISキーボード)をお使いの場合、一部、通常のキーボード配列と文字が異なるものがあります。

詳細についてはよくある質問、キーボード文字配列 を確認してください。