VMware Cloud Director Availability¶
サービス概要¶
VMware Cloud Director Availability(以降、VCDAと表記)を利用することで、お客さまのVMwere環境とIaaS Powered by VMware(以降、IPVと表記)間のマルチテナント環境においてvApp・仮想マシン等を異なる環境へシームレスにレプリケーション(複製)することが可能です。
レプリケーションを構成することにより仮想マシン・vApp・テンプレートのディザスタリカバリ(以降、DRと表記)や移行(マイグレーション)を実現することができます。
VCDAの操作はIPVテナントポータルから一元的に行うことでき、VCDAの機能はオンプレ - クラウド間、またはクラウド - クラウド間で利用できます。※
注釈
※VCDAはオンプレミスとIPV間、およびIPVのサイト間(JP7ー東日本エリア とJP8ー西日本エリア)で提供されます。
※レプリケーション先としてはIPV vCenterはサポート外です。機能いたしませんので設定しないでください。
IPV VCDAのレプリケーション構成
注釈
VCDAのメリット
- 事前にデータ同期を行うことで、サーバ停止時間の極小化が可能
- 複数のvSphereバージョンに対応可能
- 移行対象の仮想マシンへの影響を抑えられる低負荷なレプリケーション
目次
VCDAの機能概要¶
1. WEBポータルによる管理¶
レプリケーションの操作・管理はVCD管理ポータルと一体となったWEBポータルから一元的に行うことが可能です。
・VMware Cloud Director Availability Tenant Portal¶
IPVテナントポータルを使用して、VMware Cloud Director Availability Tenant Portalにログインできます。
IPVテナントポータルに組み込まれている為、単一のユーザーインターフェイスからクラウドおよびディザスタリカバリ環境を管理できます。
これにより、管理操作が簡素化されます。
2. レプリケーション機能¶
オンプレ - クラウド間、またはクラウド- クラウド間の保護(DR)・移行のための柔軟な構成が可能です。
レプリケーション機能により以下のタイプの動作が可能となり、サービスの可用性・移行性を高めることができます。
動作
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内容
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① 保護(DR)
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VCDAによりペアリングされ、稼働システム異常時にターゲットサイトへフェイルオーバーすることで機能を回復(保護)することができ、DRとして機能します。
また、リバースすることで、ソースサイトで再びサービスプロセスを実行することが可能です。
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② 移行(マイグレーション)
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レプリケーションを利用し、ターゲットサイトにて移行プロセスを実行することにより仮想マシン、vAppの移行が可能です。
vAppテンプレートの移行も可能です。
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※上記のVCDAによるDR・移行設定設定手順については本稿の末尾にリンクを掲載しています。
■ VCDAのレプリケーション動作概要
①DRのケース¶
レプリケーションが構成され同期が成功した後、ソースサイトが使用できなくなった場合は、保護された対象vApp/仮想マシンをターゲットサイトで フェイルオーバー してパワーオンすることでリカバリができます。
また、その後 フェールバック(リバース+ソースサイトへのフェイルオーバー) してソースサイトへのリカバリが可能です。
事前に フェイルオーバーのテスト も可能です。
注釈
※以下参考図のソースサイト、ターゲットサイトはそれぞれオンプレミス、JP7、JP8へ入れ替えることができます。
ソースサイト:移行・レプリケーションの元となるサイト
ターゲットサイト:移行・レプリケーションの先となるサイト
・フェイルオーバー¶
レプリケーション構成により保護されたソースサイトが使用できない場合、ターゲットサイトにてディザスタリカバリ操作を実行することでリカバリすることができます。
保護対象は"ターゲットサイト"で実行されます。
・リバース¶
リバースタスクでは、フェイルオーバーされた仮想マシン・vAppが元のソースにレプリケートされます。
※移行した仮想マシン・vAppも同様にしてソースサイトへのリバースが可能です。
※ソースサイトへ完全に戻すためにはリバース済みのレプリケーションに対して、フェイルオーバーを実施する必要があります。
注釈
※ターゲットサイトにて仮想マシンのハードウェアバージョンを上げた場合、ソースサイトへ仮想マシンを戻せない場合がありますので注意ください。
※レプリケーションを構成するには事前にVMware Cloud Director Availabilityにて対象サイトとのペアリングを行い、2つのサイト間の信頼を確立します。
■ DR遷移図参考例
フェイルオーバー
リバース
②移行(マイグレーション)のケース¶
VCDAのレプリケーションを利用し、vAppまたは仮想マシンをIPV等の別環境へ移行することができます。
保護対象は"ターゲットサイト"で実行されます。
すでに作成されたレプリケーションをターゲットサイトに移行すると、ソースサイトで実行されている対象がパワーオフされます。
移行遷移図参考例
機能のまとめ¶
機能一覧 | 内容 |
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DRおよび移行機能
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・WEB管理インターフェイスからの操作
・オンプレミスリソースからクラウドへ、およびクラウド間での管理されたDR機能、またそのテスト
・オンプレミスリソースからクラウド、クラウドからオンプレミスリソース、またはクラウドからクラウドなどサイト間の仮想マシン・vApp・仮想テンプレートの移行
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レプリケーションに対して提供される目標復旧時点(RPO)
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・最小RPO: 2時間から24時間の範囲で設定ができます(条件により変動します)
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セキュリティ機能
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・エンドツーエンドのTLS暗号化を使用したレプリケーショントラフィック暗号化
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注釈
レプリケーションを利用する場合はレプリケーション毎にVCDAライセンス費用が発生します。
また、レプリケーション時に"名前付きディスク"をデータ一次領域として利用し、課金が発生します。
各機能を利用するに当たっての事前準備・制限等¶
事前準備¶
VCDAによるレプリケーション・移行を利用する場合、以下の事前準備が必要です。
オンプレミスからレプリケーションを利用する場合
- VMware Cloud Director Availability On-premises Applianceのデプロイ
- IPV(JP7およびJP8)とのペアリングを含む初期設定
IPV間にてレプリケーションを利用する場合
- レプリケーションするvAppの接続先となるOvDCネットワークの作成必要に応じて、レプリケーションするvAppの接続先となるOvDCネットワークを作成します。vAppと接続するOvDCネットワークを作成する場合、以下ドキュメントを参照ください。
制限事項¶
また、以下の要件、制限がございます。
- オンプレミス側VCDAの互換性: IPVのVCDAのバージョン(4.6.1)と互換性を取るため、オンプレミス側のVDCAバージョンを前後2世代以内に合わせる必要があります(4.4.1, 4.5.1, 4,6, 4.6.1, 4.7, 4.7.1, 4.7.2)。
- インターネット: オンプレミス側は直接インターネット接続ができることが必要です(NAPT環境は可、プロキシ経由では接続できません)。※インターネット接続不可の環境の場合は営業までお問い合わせください。
- ファイアウォール: FWを経由する場合、VCDAの通信を通すため事前に通信許可設定が必要です。
- ライセンス: 仮想マシンの移行後、ご利用のOS等のライセンス切り替えが必要な場合があります。
- 接続数: On-Premises to VMWare Cloud Director Replication Applianceからは同時1テナントのみペアリングが可能です。 IPV側のVCDAからは複数のオンプレミスサイトとのペアリングが可能です。
設定手順リンク¶
VCDAを利用したDR・移行の詳細な設定手順については以下のリンクを参照ください。