仮想アプライアンス導入:Zabbix仮想アプライアンスデプロイ方法

IPV上にZabbix社が提供するZabbix仮想アプライアンスを導入頂くことが可能です。

Zabbixはネットワーク管理ソフトウェアです。
様々なネットワークサービス、サーバ、その他のネットワークハードウェアのステータスを集中監視するための統合システム監視ソフトウェアです。


デプロイ方法

注意事項
  • ネットワークインストール方式となるため、インターネット接続が必要です。
  • Zabbix社にて提供しているOVFは最新の仮想ハードウェアバージョンを使用している可能性があるためISOインストーラーをご利用ください。

1.事前準備

Zabbix社が提供している 仮想アプライアンスイメージ をダウンロードし、IPV上にアップロードします。
仮想マシンイメージファイルは、カタログへ保存します。

前提条件
本ガイドでは、"OrgAdmin"での操作を想定しています。
IPVご利用開始時に標準で用意されているロール、ロールに紐づいている権限は以下を参照下さい。

注釈

仮想アプライアンスは事前にダウンロードしてください。
本ガイドでは仮想アプライアンスダウンロードについては実施済みである前提で記載します。


1.1. カタログの種類

カタログは、コンテンツ(vApp テンプレート、メディアファイルなど)を格納できる領域です。
カタログには以下の2種類あります。

カタログの種類
本ガイドでの名称 説明
パブリックカタログ
当社が提供するOSテンプレート(パブリックテンプレート)が格納される領域です。
お客様がアップロードするコンテンツは格納できません。
Public-catalog という名前で、すべてのお客様へ登録されています。
プライベートカタログ
お客様がvCDテナントポータル上から作成できる領域です。
お客様がアップロードするコンテンツが格納できます。
格納したコンテンツは、組織に所属するユーザーへ共有することができます。

1.2. カタログの作成

vCDテナントポータルへログインし、Topメニューより[ライブラリ]をクリックします。

[コンテンツライブラリ]->[カタログ]をクリックします。
[新規]をクリックし、仮想アプライアンス格納用のカタログを作成します。

既にカタログを作成されている場合は作成済みのカタログに格納して下さい。

1.3. 仮想アプライアンスイメージ(OVA/Fファイル)のアップロード

[コンテンツライブラリ]->[vAppテンプレート]をクリックします。
[新規]をクリックし、"OVFテンプレートからvAppを作成"ダイアログの指示に従いアップロードします。
アップロード完了後、[vAppテンプレート]リストにアップロードしたファイルが存在していることを確認下さい。
事前にOVA/Fファイルを作業端末にダウンロードして下さい。

2. デプロイ環境準備

Zabbixをデプロイする為の環境を整備します。
デプロイには以下を事前に実施している必要があります。

実施項目 概要
インターネット接続可能OvDCネットワーク Zabbixをインストールするために必要
サービス接続用OvDCネットワーク Zabbixによる監視用ネットワーク

Zabbixで使用する接続ネットワークを事前に作成しておく必要があります。
OvDCネットワーク作成後のOvDC内構成イメージは以下となります。

3. デプロイ

ZabbixをOvDC内にデプロイを行います。
デプロイ後にコマンドラインにて初期設定を行います。

3.1. ZabbixのOvDC内デプロイ

Zabbixをデプロイする為の仮想マシンを整備します。
Zabbixの最小インストール要件は以下となります。

Zabbix最小インストール要件
ハードウェア項目 設定値
CPU 2Core 以上
メモリ 8GB 以上

注釈

仮想アプライアンスインストーラーが採用しているOSは"Alma Linux"となります。

[コンピュート]->[vApp]をクリックします。
vAppのリストより"zabbixデプロイ対象vApp"カードを探し、カードの下部にある[アクション]をクリックします。
表示されたメニューリストから[追加]->[仮想マシンの追加]をクリックします。
[仮想マシンを"zabbixデプロイ対象vApp"に追加]ダイアログが表示されます。
[仮想マシンの追加]をクリックし、下表の設定にてvAppへ仮想マシンを作成します。
デプロイ時には仮想マシン設定を以下で設定する必要があります。

Zabbix用仮想マシンの作成
項目 設定内容
名前 仮想マシン名
説明
タイプ 新規にチェック
OSファミリ その他
オペレーティング システム Other 4.x or later Linux (64bit)
ブートイメージ [カタログ]->[メディアその他]にアップロードした"zabbix_appliance-x.x.x-netinstall.iso"を選択
コンピュート
1. 仮想CPU:2コア
- ソケットあたりのコア数:1
- ソケットの数:1
2. メモリ:8GB
ストレージ
1. ストレージポリシー:"Org割り当てストレージポリシー"
2. サイズ: 64GB
カスタムストレージポリシーの使用
チェックなし
ネットワーク
NIC No: 1
ネットワーク: インターネット接続可能OvDCネットワーク
ネットワークアダプタ タイプ: VMXNET3
IPモード: ※DHCP利用時はDNSも配布するように設定ください。
IPアドレス: ※固定(手動)選択時、Zabbixにて利用するIPアドレスを設定します。
プライマリNIC:


[OK]をクリックすることで、仮想マシンの構築処理が実行されます。
作成完了後、[コンピュート]->[vApp]->["デプロイvAppカード名"]->[仮想マシン]をクリックし仮想マシンが作成されていること、左メニューより[ネットワーク図]を選択し仮想マシンが接続指定したOvDCネットワークに紐づいていることを確認します。

注釈

NICの追加はデプロイ後に行って下さい。

デプロイ確認完了後、対象仮想マシン画面へ遷移し上部メニューの[パワーオン]をクリックします。
パワーオン後、Zabbixネットワークインストールが実行されます。

3.2. Zabbix初期設定

ネットワークインストールが完了した後に日本語環境設定を行います。
インストール後の初期ログイン/PWは以下となります。

Zabbix初回ログインID/PW
ログインID パスワード
root zabbix

起動後、環境設定を行っていきます。

■ 日本語環境設定

Linux
## 日本語環境パッケージインストール
dnf -y install glibc-locale-source glibc-langpack-ja zabbix-web-japanese
# キーボード配列変更
localectl set-locale LANG=ja_JP.utf8
localectl set-keymap jp106
# タイムゾーン変更
timedatectl set-timezone Asia/Tokyo

■ Zabbix環境設定

Linux
# Zabbix環境設定変更
vi /etc/php.ini
> 追加
;date.timezone=
date.timezone=Asia/Tokyo #追記対象
vi /etc/php-fpm.d/zabbix.conf
> 追加
php_value[date.timezone] = Asia/Tokyo #追記対象
# ネットワーク環境設定変更
# 仮想アプライアンスでは「Network Manager」 が無効化されています
vi /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0
BOOTPROTO=none
IPADDR=監視用セグメントより割り当てるIPアドレス
PREFIX=監視用セグメントサブネットマスク
GATEWAY=監視用セグメントゲートウェイ
DNS1=※ある場合はOvDC内DNSサーバーIPアドレス
設定完了後、OvDC内作業端末よりHTTP接続にてZabbix Webコンソールに接続できることを確認してデプロイは完了となります。
以後、Zabbix Webコンソール上より環境設定が行えます。
Zabbix設定に関しては Zabbix マニュアル を参照ください。