OSテンプレート

OSテンプレートは、Windows Serverオペレーティングシステムのライセンス、またはRed Hat Enterprise Linuxのサブスクリプションを利用する権利を提供するサービスです。

注釈

OSテンプレートでは、Microsoft社のSPLAライセンス規約間で締結した契約に基づいたライセンス、または、Red Hat社との間で締結した契約に基づいたサブスクリプションを、弊社で独自にサービス化して提供します。

利用できる機能

OSテンプレートでは以下の機能を利用できます。
機能 概要
ライセンスの提供 OvDC上の仮想サーバーでWindowsやLinuxを動作させるためのライセンスを利用する機能。
パブリックカタログの提供 上記ライセンスを提供するための、OSインストール済みの仮想サーバーのテンプレートを利用する機能。
ライセンス切り替え お客様がローカルサーバーなどで作成した仮想サーバーのテンプレートから、 IPV サービス上に仮想サーバーを作成する際、仮想サーバーのライセンスを弊社が提供するSPLAへ切り替える機能。

ライセンスの提供

ライセンスでは以下のライセンスを提供します。

  • Windows Serverライセンス
    SPLA(Service Provider License Agreement)にて提供を行います。
    SPLAとは弊社がマイクロソフト製品のライセンスの提供を受け、エンドユーザーに提供することができる仕組みとなります。

  • Red Hat Enterprise Linuxライセンス
    Red Hat Enterprise Linuxとサブスクリプション(サポート)契約をセットで提供致します。
    サポートは弊社が一次受けし、OSに関する内容についてはRed Hat社に問い合わせを行います。

注釈

IPV上にお客さま持ち込みのイメージにてWindows Serverをご利用される場合は、共通機能にて提供しているライセンス切り替え機能をご利用下さい。
ライセンス切り替え利用に伴い、ご利用されるサーバーインスタンス上のWindows Serverのライセンスは弊社が提供する「SPLA」というライセンス形態に変更となります。
ライセンス切り替え機能を利用せずに、お客さま持ち込みのイメージにてWindows Serverをご利用された場合は、ライセンス違反となりますので、ご注意ください。
またライセンス切り替えをせずにお客様持ち込みイメージを利用されていることが発覚した場合には、利用開始時に遡って差額分を請求させていただきます。
ライセンス切り替え対応範囲は「 Windows Serverのライセンス認証方法 」を参照下さい。

提供されるライセンスおよびサブスクリプションは以下のとおりです。
仮想サーバー1台に対して、1つのライセンスが提供されます。
種別 名称
Microsoft社のライセンス
Windows Server 2016 Standard (64bit版)
Windows Server 2016 Datacenter (64bit版)
Windows Server 2019 Standard (64bit版)
Windows Server 2019 Datacenter (64bit版)
Windows Server 2022 Datacenter (64bit版)
Red Hat社のサブスクリプション
Red Hat Enterprise Linux Server 8 (64bit版)
Red Hat Enterprise Linux Server 9 (64bit版)

注釈

ライセンスを利用すると、お客様はRed Hat Enterprise Linuxのソフトウェア サブスクリプションの「ソフトウェア アクセス」「ソフトウェア保守」の機能を利用することができます。
それらの機能を利用するための手段・アクセス方法については、弊社からの指定(Red Hat Enterprise Linux制約事項参照)に従ってください。

パブリックカタログの提供

Microsoft社のライセンスおよびRed Hat社のサブスクリプションが提供された仮想サーバーを作成するためのテンプレートが利用できます。
テンプレートは、vCloud DirectorテナントポータルからOvDC内に仮想サーバーを作成するときに利用できます。

重要

  • Microsoft社のライセンスおよびRed Hat社のサブスクリプションは、提供されるテンプレートを使用して作成した仮想サーバー(以下、ライセンスで作成した仮想サーバー)に対してのみ提供されます。

注釈

  • テンプレートを使用して仮想サーバーを作成すると、OSインストール済みの仮想サーバーをすぐに利用できます。
  • テンプレートはvCloud Directorテナントポータル内のパブリックカタログに保存されています。

IPVにて提供しているパブリックテンプレートに関しては(チュートリアル「 パブリックテンプレート 」を参照下さい。

パブリックテンプレート基本設定

提供しているパブリックテンプレートのイメージは以下の設定を行っております。


VM設定

VM設定
設定項目 設定値
CPU
・Core:1
・Socket:1
メモリ
・Windows Serverテンプレート:4GB
・Red Hat Enterprise Linuxテンプレート:1GB
ハードディスク
・Windows Serverテンプレート:80GB
・Red Hat Enterprise Linuxテンプレート:40GB
NIC
0
仮想ハードウェアバージョン
17
VMware Toolsバージョン ※RHEL8.10及び9.x以外にインストール
・Windows Serverテンプレート:11296
・Red Hat Enterprise Linuxテンプレート:10358
open-vm-toolsバージョン ※RHEL8.10及び9.xのみインストール
・Red Hat Enterprise Linuxテンプレート(RHEL9.2):12325
・Red Hat Enterprise Linuxテンプレート(RHEL8.10/9.4):12389
ゲストOSカスタマイゼーション
・ゲストのカスタマイズを有効化:有効
・ローカル管理者パスワードを許可:有効
・パスワードを自動生成:有効
・組織のドメインのオーバーライド:有効
下記の設定はWindows Serverのみ
・SIDを変更:有効

Windows Server設定

Windows Serverテンプレートの初期設定内容は以下となります。

Windows Server設定
設定項目 設定値
管理アカウント(初期ログインアカウント)
Administrator
ロケール設定
・Country or Region:en-US English (United States)
・Keyboard layout:US
※言語パック(日本語)をインストール完了状態です
 OSのコントロールパネルまたは設定からAdd Languageにて、OSの言語設定を日本語に変更できます
NTP設定
Time Zone:UTC
NTPServer:180.55.188.36,0x8 /180.55.188.37,0x8
ライセンス認証
ライセンス認証で利用するKMSサーバーが指定されています
WinRM設定
有効化
リモートデスクトップ設定
有効
Windows Defender
有効
Windows Firewall
有効
※Windows Firewall受信規則設定にて以下ポートが有効化されています
・3389
・5985

Red Hat Enterprise Linux設定

Red Hat Enterprise Linuxテンプレートは以下のインストール形式にてインストールしています。

  • minimalインストール

追加ソフトウェアは以下をインストールしています。
  • VMware Tools ※RHEL8.10及び9.x以外にインストール
  • open-vm-tools ※RHEL8.10及び9.xのみインストール
  • Perl
  • net-tools
  • RHELライセンス証明書(RHUIクライアント証明書)

Red Hat Enterprise Linux初期設定内容は以下となります。

Red Hat Enterprise Linux設定
設定項目 設定値
管理アカウント(初期ログインアカウント)
root
ロケール設定
・ロケール:en_US.UTF-8
・Keyboard layout:英語キー配列(101/104)
NTP設定
Time Zone:UTC
NTPServer:180.55.188.36 /180.55.188.37
セキュリティ設定
・iptables/nftables:設定なし
・SELinux: disable
SSH設定
・Port:22
・Protocol:2
・PermitRootLogin:yes
・Password Authentication:no
・PubkeyAuthentication:yes
・HostbasedAuthentication:no
リポジトリサーバー
RHUI(CDS)サーバーのFQDNが指定されています
※/etc/hosts内にリポジトリサーバーの名前解決に関する設定情報が指定
IPv6
enable
初期ログインメッセージ
"/etc/motd"を編集し、初期ログインメッセージを標準設定から変更しています

Red Hat Enterprise Linux 提供リポジトリ

Red Hat Enterprise LinuxテンプレートはIPV独自のリポジトリサーバーをご利用できます。
リポジトリサーバーではRed Hat社が提供するソフトウェア保守(バグ修正やセキュリティパッチ)をyum(Linux系ディストリビューションのパッケージ管理システム)を通じて提供します。
yumの実行はお客さまご自身で実施頂く必要があります。

  • IPVにて提供されるリポジトリは以下の通りとなります。

注釈

チャネルは、CCSPライセンス範囲内でRed Hat社から提供可能なパッケージとなります。

Red Hat Enterprise Linux提供リポジトリ
No Red Hat Enterprise Linux 7.x Red Hat Enterprise Linux 8.x / 9.x
1 Base Base
2 Optional AppStream
3 RH-COMMON CodeReady
4 Supplementary Supplementary
5 Extras  

注釈

2023年1月30日より上記最新のRed Hat Update Infrastructure (RHUI) を提供しています。
弊社提供リポジトリを利用される場合は以下の手順を参照しリポジトリ変更を実施して下さい。

提供テンプレートのRHUI設定については順次変更を行います。

ライセンス切り替え

お客様がローカルサーバーなどで作成した仮想サーバーのテンプレートから、IPV サービス上にお客様が仮想サーバーを作成した後、仮想サーバーのライセンスを弊社が提供するSPLAへ切替えることができます。
ライセンスの切り替えは、お客様の申し込みに従って弊社が実施します。
カスタマーポータルから実施することはできません。

注釈

  • ライセンス切り替え前に、お客様がローカルサーバーなどで作成した仮想サーバーイメージをプライベートカタログにインポートしてください。
  • ライセンス切り替え後は、プライベートカタログにインポートしたテンプレートを削除してください。
  • Windows Serverライセンスのアクティベーション作業は弊社より提供する手順書を参考にお客様にて実施いただきます。
  • 本サービスのサポート対象はVL(Volume License)版のライセンスでインストールされている仮想サーバーです。
  • 基盤の仕様上当面の間Windows Server 2022のゲスト OS名は、Windows Server 2019と表示されます。
  • 基盤の仕様上当面の間Red Hat Enterprise Linux 9のゲスト OS名は、Red Hat Enterprise Linux 8と表示されます。
ライセンス切り替えを行うにはインターネット接続ゲートウェイが必要となり、IPV共通機能の利用が行える状態にする必要があります。
それ以外の場合、本機能を利用できません。
提供可能なライセンス
 切り替え可能なOSライセンスは以下のとおりです。

  • Windows Server 2016 Standard English 64bit版
  • Windows Server 2016 Datacenter English 64bit版
  • Windows Server 2019 Standard English 64bit版
  • Windows Server 2019 Datacenter English 64bit版
  • Windows Server 2022 Datacenter English 64bit版(※)

※Windows Server 2022のライセンス切り替えは、ご利用のエディション(Standard/Datacenter)に関わらず「Windows Server 2022」として計上されます。適用されるライセンスはWindows Server 2022 Datacenterとなります。
  ご利用の際にはチケットにてお申し付け下さい。

 Red Hat Cloud Accessにてライセンス持ち込みが可能なライセンスは以下のとおりです。
  • Red Hat Enterprise Linux Server 7 + ELS (64bit版)
  • Red Hat Enterprise Linux Server 8 (64bit版)
  • Red Hat Enterprise Linux Server 9 (64bit版)
※ライセンス切り替えを実施するには該当するバージョンのパブリックテンプレートが提供されている必要があります。
 また、ライセンス切り替え時には申し込みが必要となります。
 詳細は" ライセンス切り替えのご利用/ご利用停止 "を参照下さい。
※Red Hat Enterprise Linux Serverライセンスを持ち込まれる場合、持ち込まれたRed Hat Enterprise Linux Serverイメージに関してはライセンスサポートの対象外となります。

注意事項

  • ライセンスでは、パブリックカタログの仮想サーバーテンプレートを利用する場合の初期設定、サーバーへの初回ログイン、およびライセンス認証についてサポートいたします。
    OSに関わる監視・運用サービスにつきましてはサポートいたしません。
  • ライセンスでは、お客様が導入するライセンス製品に関連した不具合などへの対処方法について弊社はサポートを行いません。

  • ライセンスで提供されるプログラムを利用するにあたり、Microsoft製品であればサービスプロバイダー製品使用権説明書(SPUR)、Red Hat製品であればRed Hatエンタープライズ契約に同意したものとして取り扱われます。詳しくは、以下のURLを参照してください。


  • 書面またはその他の手段で、アクティベーションキー、サブスクリプション番号などのインストールに必要な情報を、お客様に直接開示することはできません。
  • 適切な課金が行えなくなるため、オフィシャルイメージテンプレートから作成されたゲストイメージのOSメジャーバージョンアップを行うことを禁じます。
  • Microsoft社、Red Hat社のサポート終了したOSバージョンのご利用についてのサポートおよび動作保障はしませんが、サービス利用料金は継続して課金されます。
  • Microsoft社、Red Hat社のサポート終了したOSバージョンのテンプレートについては新規作成やバックアップ等を用いた再作成については行えなくなります。
  • Microsoft社、Red Hat社のサポート終了したOSバージョンのテンプレートについては予告なく提供を終了いたします。
Microsoft Windows制約事項

  • 完全メモリーダンプを使用する場合は、ダンプファイルが作成されるドライブに「仮想サーバーに割り当て済みのメモリー+300 MB」以上の空き領域が必要です。

  • Windows Server のライセンス認証について

    • IPV共通機能にて提供しているNTPサーバー等を利用し、時刻を合わせる必要があります。
      サーバーの時刻が現在時刻と大きく異なる場合はライセンス認証されません。
    • IPV インターネット接続ゲートウェイの申込みおよび共通機能プールへの接続設定をされている必要があります。
      ライセンス認証ホストにはグローバルアドレスを利用していますが、通信は全て弊社サービス基盤内に閉じており、インターネットに出ることはありません。
  • パブリックカタログを利用して仮想サーバーを作成後、お客様にてWindows Updateを実施してください。

  • ご利用中のライセンスで作成した仮想サーバーへ、Windows Updateを実行するためには、インターネットへの接続環境が必要です(チュートリアル「 疎通確認(インターネット接続ゲートウェイ/共通機能プール) 」および「 共通機能プールのご利用 」を参照ください)。

Red Hat Enterprise Linux制約事項

  • ライセンスでは、お客様がRed Hatカスタマーポータル(旧Red Hat Network)にログインするためのRHNログインIDの情報は提供されません。
  • お客様の希望で、Red Hat Enterprise Linuxサブスクリプションに含まれる任意のソフトウェアをインストールする場合は、お客様自身がyumインターフェースを使用してインストールしてください。
  • 弊社はrpmパッケージ配信用レポジトリサーバー(Red Hat Update Infrastructure、以降RHUI)を提供します。yumインターフェースによるパッケージ更新を行うためには以下の条件が必要です。
  • yum updateはBaseリポジトリのパッケージのみ対象とします。それ以外のパッケージは弊社にてリポジトリへの追加登録をいたしません。
  • RHUI提供リポジトリに関してはチュートリアル( RHELリポジトリサーバー変更手順 )を参照下さい。
  • ご利用中のライセンスで作成した仮想サーバーへ、yum updateを実行するためには、インターネットへの接続環境が必要です。
  • yum upgradeコマンドによるパッケージバージョンアップは、弊社サポート対象外です。
CentOS、Ubuntu注意事項

  • お客様にてオープンソースOSの持ち込みが可能です。
    持ち込みに関しては(チュートリアル「 IPVでのオープンソースOSのご利用について 」を参照下さい。
  • リポジトリサーバーへアクセスするためにはインターネット接続環境が必要です。

禁止事項
 以下に挙げるような行為は、お客様とMicrosoft社との契約またはRed Hatとのエンタープライズ契約に違反、または、弊社のサービス機能説明書またはサービス提供条件書で規定された不正使用に該当します。この場合、弊社からお客様に対してサービス停止などのペナルティを課す対象となる可能性や、Microsoft社が不正使用のペナルティを課す可能性があります。
 以下の行為は具体的な例です。ペナルティを課す可能性が発生する行為は、以下の行為に限定されるものではありません。
  • ライセンスで提供するライセンス製品またはサブスクリプション製品を弊社が指定するクラウド環境以外で使用する行為
  • カスタマーポータルの機能を使用して仮想サーバーのイメージを再テンプレート化して保存し、エクスポート機能を使用してそのテンプレートを弊社クラウド環境以外に保存し、そのファイルを基に新しい仮想サーバーを作成して、弊社が提供したライセンス製品またはサブスクリプション製品を実行する行為
  • 弊社への通知なしに、ソフトウェアを複製して利用する行為
  • 弊社への通知なしに、ライセンスを利用して動作している仮想サーバーのイメージを複製し、登録情報を変更せずに別の仮想サーバーとして動作させる行為