3. アプレットSIM¶
従来通信サービスを利用するために必要な情報を保存するためのSIMに簡易的なアプリケーションを搭載することで、SIM内の情報やデバイスの情報を用いる様々な付加機能「アプレットSIM」を利用することが可能です。本機能は、Valueのオプションサービスとして提供しています。
3.1. 概要¶
3.1.1. アプレットSIMについて¶
SIM (Subscriber Identity Module) には、次のようなあまり知られていない2つの特長があります。
- 小さなコンピューターSIMは、CPUやメモリ領域を持ち、アプリケーション(Javaカードアプレット※)の実行環境が実装されており、小さいながらコンピューターの機能を有します。
- 高セキュリティ物理的、電子的なセキュリティを強化するため、暗号化技術、認証機能、耐タンパ性※、クローン防止機能などの技術を組み合わせることで非常に高いセキュリティ機能を実装しています。
注釈
Javaカードアプレット: Java Cardプラットフォーム上で動作する小規模・高セキュリティなアプリケーションで、スマートカードやSIMカードなどの限られたリソース環境で機能を提供するプログラムです。
耐タンパ性: 機器やデータが改ざん・解析・侵入に対し、不正アクセスや情報漏えいを防ぐためのセキュリティ特性です。ソフトウェアのリバースエンジニアリングや、ハードウェアの分解、解析などといった、構成部品や技術要素などを分析する手法からの機密情報を保護します。
NTTドコモビジネスの独自開発技術により、このSIMの特徴を活かしてIoTシステムで活用できるようにしたアプレットSIMをご提供いたします。
ValueではアプレットSIMを利用するために、以下3つの要素を提供しております。
要素 |
説明 |
|---|---|
アプレットSIM |
・アプレット分割技術を活用した Javaカードアプレットが搭載可能なSIM
・SIM内のアプレット領域に対し、ユーザーにてアプレットをインストール可能
|
アプレット |
・アプレットSIM内にインストールする簡易的なアプリケーション(Javaカードアプレット)
・情報収集や鍵情報の交換など、機能に応じたアプレットが存在する
|
アプレットコンソール |
・アプレットSIMと各種アプレットを管理/操作する専用のコンソール
・SIMの状態表示、アプレットのインストール/アンインストール、アプレットの設定やユーザなどを管理する
|
3.1.2. 特徴と活用シーン¶
一般的にアプレットSIMには以下のような特徴があります。Valueでは複数のアプレットを提供しており、活用したい特徴に応じたアプレットを選択することが可能です。
- 運用保守性の向上デバイス追加開発なく位置情報や回線品質等の動的情報の抽出およびデータ活用が可能となり、IoT機器の運用性が向上します。
- 機微情報の安全な取り扱い決済情報・個人情報などの秘匿性の高い情報をSIM内の安全な領域で処理するため、鍵情報などの機微情報を安全に管理できます。
- 通信情報の保護、なりすまし防止安全なSIM領域内に格納された証明書情報を用いることで、相互TLS接続を実現。通信情報を暗号化すると共になりすましを防止します。
- モニタリング・監査SIMの状態や操作、VPN接続、接続管理コンソール(アプレットコンソール)に対する操作などログを常時取得し、検証することができます。動作確認やインシデントの原因究明に役立ちます。
- 高可用性モバイル網の手動・自動切換えにより、高可用性を実現します。
上記特徴を生かし、以下のようなお客様の課題を解決します。
IoTデバイスの接続状態を遠隔から可視化したい
センター側のサーバーに安全にデータを送信したい
大量のIoTデバイスを展開する必要があるため、設定作業の手間はできるだけ省力化したい
通信障害が発生しても業務影響は最小限にとどめたい
3.2. アプレットSIM¶
NTTドコモビジネスの独自技術であるアプレット分割技術を活用できるSIMです。
Valueで提供しているアプレットおよびお客さまが作成したアプレットの搭載が可能です。
アプレットSIMのご利用には、専用のアプレットSIMをご利用いただく必要がございます。Valueのアプレット非対応のSIM、AdvancedのSIMにはアプレットを搭載することができません。
アプレットSIMはSIGNコンソールから発注することができます。手順は こちら をご参照ください。
3.3. アプレット¶
Valueでは以下のアプレットの取り扱いが可能です。 管理用アプレットは着荷時にすべてのアプレットSIMに搭載されています。
種別 |
アプレット |
説明 |
|---|---|---|
ユーザーアプレット |
Telemetryアプレット |
電波強度監視、簡易位置測位 (セルID取得)※、死活監視、SIM入れ替え検知を可能とする
※CellID,LACを緯度経度情報に変換するため、GeoLocationAPIを使用しますが、本サービスではGeoLocationAPI自体は提供されず、お客さまにてAPIキー取得を実施いただく必要があります。
|
ユーザーアプレット |
IoT SAFEアプレット |
デバイスとデータ送信先サーバとの相互認証と暗号化通信を可能とする |
ユーザーアプレット |
契約者による持込アプレット |
お客さまにて用途に応じたアプレットを自由に持ち込み、インストールが可能 |
管理用アプレット |
poller |
ユーザアプレットをOTA更新する |
注釈
ユーザーアプレットは1SIMにつき、1つまでインストール可能です。同時に複数のユーザーアプレットはインストールできません。
アプレットコンソールより、ユーザーアプレットの入替が可能です。
当社提供の管理用アプレット、ユーザーアプレットは、更新版をリリースする場合があります。更新版アプレットの動作および更新機能などをお客さまにて動作確認のうえ、導入判断いただくことが可能です。
3.3.1. Telemetryアプレット¶
定期的にSIMの情報およびデバイスの情報をアプレットコンソールに連携することにより、現地にいかなくても遠隔でデバイスの情報を取得できるアプレットです。
主に以下の4つの機能を提供しています。アプレットコンソールでの確認方法は こちら をご参照ください。
Telemetryアプレット提供機能 |
内容 |
|---|---|
電波強度監視 |
・RSRP、RSRQを収集し、目安(非常に強い/とても弱い等)とともに表示しています。
・機器設置場所の検討やトラブル時に切り分け時に活用可能です。
|
簡易位置測位 |
・CellID、LACを取得し、基地局情報を取得しています。
・GoogleのGeoLocationAPIを用いれば、基地局単位の簡易位置情報を地図で表示することが可能です。
|
死活監視 |
・デバイスからの定期的な通信が途絶えていないかを確認することが可能です。 |
SIM入替検知 |
・SSIM情報と機器情報(IMEI)を紐づけて管理しており、SIMが挿さっている機器が入れ替わった際に検知することが可能です。
・GoogleのGeoLocationAPIを用いれば、基地局単位の簡易位置情報を地図で表示することが可能です。
|
3.3.2. IoT SAFEアプレット¶
IoT SAFE(IoT SIM Applet For Secure End-to-End Communication) はGSMAが標準化したIoT向けのセキュリティ仕様です。
アプレットを活用し、鍵や証明書の取り扱いと認証、暗号化処理を安全かつ効率的に実現できます。
以下の特長があります。
アプレットがキーペアを生成するため、秘密鍵の漏えいリスクがない。
鍵情報や証明書は耐タンパ性を持ったSIM内に格納されるため、安全である。
デバイスにセキュリティモジュールを実装する必要がなく、実装コスト・手間がかからず省スペースが実現できる。
証明書の更新や削除がOTAで実行可能。常に最新のセキュリティ維持が可能。
鍵情報や証明書のセットアップをまとめて管理可能。初期作業の工数を大幅に削減できる。
手順などの詳細は こちら をご参照ください。
3.4. アプレットコンソール¶
アプレットコンソールについての説明は、 アプレットコンソール をご参照ください。